【企業分析バトル】事業内容、業績、株価指標も優秀な「東海カーボン」を買った(一橋大学)

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米中の巨大タイヤ市場に注目

   東海カーボンの売上高のうち、黒鉛電極事業と並んで高い割合を占めているのが、カーボンブラック事業である。カーボンブラックとはズバリ、私たちの身の回りにある「黒」を作り出している炭素の微粒子のこと。同社のカーボンブラックは自動車のタイヤや各種工業ゴム製品、プリンターの黒色インクなどに用いられている。

   カーボンを練りこむことで、タイヤの強度や耐久性を高めることができ、より質の高いタイヤを製造することができる。中国や米国といった巨大タイヤ市場が今後どの程度伸びていくのかを注視することで、東海カーボン自体の伸びも占うことができそうだ。

   業績は順調に推移。前年の2018年は、売上高2300億円、営業利益は750億円を突破した。海外での売り上げが伸びたほか、各製品の売価が前期と比べて改善。より利益を生み出しやすい状態になったことが主な理由となっている。

               

   今期は2018年6月から子会社化された「Tokai Carbon Korea 」と、同じく9月から子会社化された「Tokai carbon CB」が通年で売り上げに寄与することを見込み、39.5%の売上高のアップが予想されている。

   株価指標に注目すると、ROE(自己資本利益率)が47.1%、売上高営業利益率が32.5%、自己資本比率は59.2%と、東海カーボンの高利益体質への取り組みが実を結んだ数値といえる(いずれも、2018年度実績値)。

   ちなみに、黒鉛電極でトップシェアの昭和電工の場合、ROEが19%、売上高営業利益率18%、自己資本比率41.5%。昭和電工の事業は多岐にわたるため、あくまで参考でしかないが、昭和電工と比べても優秀な水準といえそうだ。

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