狙われる20代「投資用マンション」商法! 悪質業者の撃退法は?

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20代は「老後に不安を抱いている」からだまされる

   これらの事例で驚くのは、事業者から「マンション投資話」の電話がくると、いとも簡単にレストランで会ったり、はては先方の事務所にまで出向いたりすることだ。20代の若者には警戒心というものがないのか――。国民生活センター相談情報部の小池輝明さんは、こう説明した。

「一つに社会経験が乏しいということがあるでしょう。事業者から『何度も電話しているのに一度も会わないのは失礼だ。社会人としてどうなのか!』と言われると、40代なら『うるさい!』と電話を切りますが、20代は会わないと申し訳ないと思うようです。それと、イヤイヤながらでも事業者に会うのは、投資話にちょっとでも興味がある人が多いからです。7~8年前は40代がターゲットでしたが、最近は20代がガンガン狙われています」

   どういうことか。小池さんはこう続けた。

「今の20代は、年金なんか当てにならないと思っています。終身雇用制も崩れていますから、若いうちから老後に不安を抱いているのです。『マンションを買えば定期収入が得られ、老後の蓄えになる』『家賃収入が年金の代わりになる』と言われると、若い人は弱いのです」

   また、2020年東京五輪を前に、自分が住む住宅を対象にした「住宅ローン」とは別に、投資用マンションを対象にした「不動産投資ローン」を取り扱う金融機関が多くなったことも影響している。不動産投資では家賃収入がローンの主な返済原資となるため、住宅ローンよりも低い年収でも貸し出す。住宅ローンの貸出額上限が年収の5倍~8倍に対して、不動産投資では年収の10倍~20倍にまで大きくなる。年収が低い20代でもどんどんローンを組めるわけだ。

「悪質な事業者には、特定の金融会社と取引をして若者に収入に合わないローンを強引に組ませるところも少なくありません。事例4の虚偽のローン審査を受けさせるケースがそれです。ローンを組ませるまで長時間拘束したり、『こんなに良い話を断る気か!』などと恫喝したりしますから、キッパリ断ることが大切です」

と小池さんは語る。

逃げる決めゼリフは「警察に通報する!」

   しかし、そんな違法まがいの事業者にあったらどうしたらいいのだろうか。小池さんはこうアドバイスをした。

「まず、毅然と『興味がない』『帰ります!』と言い続けること。宅地建物取引業法では、深夜または長時間におよぶ勧誘や、迷惑を覚える時間の電話・訪問などは禁止されています。だから、しつこく勧誘し続けたら、『不法行為の勧誘だ。監督官庁の国土交通省地方整備局に通報しますよ』というと、効果があるものです。身の危険を感じるようなことがあれば、『警察を呼びます!』と110番するといいでしょう」

(福田和郎)

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