ドラフト4位のイチロー選手が「超一流」になれたワケ
「愚直に続ける」ということは、会社の風土改善、会社の施策浸透、社員の教育と、あらゆる面で成果を生み出すために大変重要なことなのです。イチロー選手は、確かにプロで通用するだけの才能は持って生まれてきたのかもしれません。しかし彼は入団時点ではドラフト指名4位という、プロ選手としてごくごく普通レベルの評価に過ぎなかったわけです。
そんな入団時は「プロで一流選手なるにはちょっと足りない」状況にあった彼を、球史に残る超一流選手にまで押し上げたものは、毎日愚直に続けたルーチンワークに他ならないのです。
「継続は力なり」という言い方もあります。何か足りない点や問題点があったなら、知識と情報を駆使して改善策を考え、それを徹底して愚直続けること。イチロー選手はその大切さを、身を持って教えてくれていると、改めて思うところです。
もう一つ、イチロー選手の行動から経営者にご理解いただきたいのは、今回の引退と向き合った姿勢です。
前述のように彼は2018年5月以降、会長付特別補佐という試合には出場できない肩書きを与えられ、そのままシーズンを終えました。勘のいい野球ファンは、「ていのいい引退勧告か」「イチロー選手の引退は近い」と思ったことでしょう。彼は以前から「最低50歳まで現役を続ける」と公言していました。球団から会長付特別補佐の肩書きを与えられ、試合から遠ざけられた段階で彼は44歳。まだ目標にまで6年を残していました。