新年度が始まった。心機一転、転職して新しい会社で働く人もいる。つい先日まで学生だった新人と違い、転職者には社会経験を積んだ強みがある。
リクルートキャリアでは、初めて転職活動をした人(n=406人)を対象に意識調査を実施。それによると、「自分の強みを認識している」と答えた人は85.5%と、8割以上に達したことがわかった。2019年3月26日に発表した。
資格も学歴も採用基準に関係なし
調査によると、「自分の強みを認識している」と答えた85.5%の人のうち、「転職活動前に意識していた強みがある」と答えた人は94.5%で、多くの人が転職活動を始める前から、何かしら自分の強みを意識していたことがわかった。
一方で、転職活動を通じて、これまで知らずにいた自分の強みに気付いた人も75.2%と、7割を超えた。活動中に強みに気付いたきっかけは、「自らの業務経験を振り返って」が60.2%と最多。「キャリアアドバイザーなど、第三者との対話」が58.2%、「上司、同僚との対話」も32.2%と多かった。
また、「採用基準で関係ない」と感じたことは、「資格の有無」が31.8%、「学歴」が30.8%、「年齢」は24.4%。「経験企業の規模、知名度」については23.9%の人が「関係ない」と答えていた。
「資格の有無は関係ない」と感じた人からは、
「資格よりも、実務経験や仕事の姿勢を見られている」(25歳女性、東京都)
「未経験でも採用された」(34歳男性、群馬県)
「資格=能力ではない」(46歳男性、愛知県)
といった声が寄せられた。
また、「学歴は関係ない」と答えた人は、
「これまでに何をしたかを重点的に問われ、学歴については聞かれなかった」(27歳女性、大阪府)
「学歴より、前職の経験を活かせる、と伝えることが重要」(29歳男性、滋賀県)
などの意見があった。
自分に合った転職先を見つけるために必要なことは?
転職活動で苦労した点を聞くと、約半数(49.0%)の人が「自分に合った会社を見つけること」と答えた。また、入社の意思決定に役立ったことは、「企業から評価内容を聞けた」が48.8%と最も多かった。
転職先の職場に「満足している」と答えた人は、満足(34.7%)とやや満足(38.9%)をあわせて7割超(73.6%)にのぼった。
リクナビNEXT編集長の藤井薫氏によると、転職活動で自分に合った会社を見つけるためには、自分の強みを理解することが不可欠。「今回の調査から、転職を通じて自らの経験や専門知識を、客観視できる効用があることが、改めてわかった。その具体的な方法としては、自らによる『業務経験の振り返り』と『第三者からのアドバイス』『企業との対話』など、他者からのフィードバックがあげられる」としている。
転職活動を通じて、「資格」「学歴」「経験企業の規模や知名度」などの外形的な条件ではなく、自身のもつ「内在的な強みこそ、価値があるもの」ということに気付いていく様子が見受けられた。
なお、調査は転職エージェントサービス「リクルートエージェント」の登録者で、転職を決めた人が対象。回答者910人のうち、初めて転職した406人を分析した。調査期間は、2018年9月19~30日。インターネットで実施した。