新人たちの「ガラスのハート」にどう対処 「新人を育てて戦力化する」ための心得(大関暁夫)

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「新人を絶対に雑用係にしない!」

   そこで続いて手がけたのは、全社員の受講を必須とした社員基礎研修の実施でした。あらかじめ研修案内には「新人研修で新人が何を教わっているのか知って復習しよう」というキャッチフレーズを付して説明し、研修の目的を明確に認識してもらうこととしました。

   この研修は店長の判断で再受講が必要と思われる社員には、新人受け入れシーズン前に受講を指名するというルールで、今でも実施されています。

   受け入れ側の姿勢として最も重視したことは、「新人を育てて戦力化する」という意識を全社員に持たせることでした。

   その具体的な対応として、今回の会議でも総務部長が強調していたことが、「新人を絶対に雑用係にしないこと!」です。そのために総務部は、毎週月曜日に新人を配属した店長宛に「今週の新人教育プログラム」と称して、毎週2~3項目の業務を重点的に取り組ませるよう、具体的な教育課題を指示しています。

   これにより約1か月間で10項目程度の基本業務が身につけられ、それを翌月5月1か月はランダムに復習させることで接客デビューに向けた準備が整うという流れが確立しました。もちろん、店頭でのトラブル発生時はすぐに店長、副店長がヘルプに向かう、これも義務付けています。

   このようにしてT社では新人初年度の退職ゼロを実現しました。「何をしたらいいのか、わからない」「仕事で自分が職場に溶け込めない」「誰も自分に関心を持ってくれない」などが、期待感を抱いて入社した新人のココロが急激に冷めて、退職を考え始める大きな原因なのです。

   新人を迎える中堅・中小企業の皆様、今年も不幸な新人を生まないためにT社の試みを参考にされることをオススメいたします。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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