学生の不満知り問題提起
伊勢半が「顔採用」を導入したのは、就活生を対象にした調査で、就活でメイクや服装に不自由を感じている学生が5割を超えていることを知ったため。ファッションばかりでなく、型にはまった履歴書やエントリーシート作りの繰り返しでストレスが募り、肝心の面接でつまずくこともあるという。
「顔採用」枠の配属先であるデジタルマーケティング・広告宣伝部の大町龍部長によると、ネガティブな反応を懸念する意見が出されるなど抵抗もあった。だが、ブランド力向上ため、また学生が不自由を感じている就活に問題提起のためにも一石を投じようということで社内にコンセンサスができ、ゴーサインが出された。
2020年採用の新卒就活が解禁になった3月1日、日本経済新聞に「顔採用」を告知する広告を掲載。このことを報じる記事が「ヤフートピックス」に載り、ツイッターでは賛成、反対の意見を表明する投稿が相次いだ。広告では、写真共有アプリ、インスタグラムやウェブの応募フォームなどを使ったエントリーを募集。大町部長によると、エントリー件数は「想像を大きく上回った」ほど。そのなかから選考を通過した51人を説明会に招いた。
伊勢半のこの数年の採用実績は、2017年が11人。18年が21人で、この4月に入社した19年採用が11人だった。2020年には、通常の採用枠と顔採用枠を合わせて18人を採用する予定。