投資において、「上昇し続ける相場などというものは存在しない」と言われている。つまり、いつかは市場に調整の時期がやってくるということを意味している。
その調整幅がとても大きくなるとき、それを「バブル崩壊」と呼ぶことがある。
「バブル崩壊」に、いいイメージはない!
2017年1月1日に966ドルで取引されていたビットコイン(BTC)は、その年12月に史上最高値となる1万9891ドルを付けた。わずか1年で20倍以上の値上がりだ。
その後、BTCは急落。2018年2月には6000ドルまで下落した。なんと、約2か月間で70%近い急落を記録したのである。これが、近年のバブル崩壊の一例だ。
ちなみにBTCの価格は現在(2019年3月26日)、3000ドル台で推移している。
古典物理学の祖で、当時の英国で造幣局長を務めていたニュートンは、「天体の動きは計算できるが、群衆の狂気は計算できない」と述べていた。彼の生きていた時代から、株式バブルは存在していたのである。当時は「南海バブル」が進行中で、ニュートンは常識を遥かに超えた株価をおかしいと感じていたようだ。
一般的に、バブル崩壊は決してよいイメージを持たれていない。少なくとも、ニュース番組や新聞記事が、バブル崩壊をありがたいことのように報道することはないだろう。
なかでも、株式市場の長期間にわたる下落の場合は、とりわけ悲観的に報道される。日経平均株価などの代表的な株価指数は、景気の「先行指標」と呼ばれるだけあって、株価の下落は将来の景気に対する見通しが下方修正される一因にもなる。
株式市場で急落が起こるときは、多くの株式投資家が損するし、株式市場のバブル崩壊は日本経済全体にとって悪いニュースとなる。
しかし、右肩上がりが続く相場など存在しないのだから、定期的に起こるバブル崩壊は、「仕方のないもの」ともいえる。世の中の景気が、よくなるときがあれば、悪くなるときもあるように、株価も上昇する時期があれば下落する時期もある。