「効率よく働きたい」「創造的に仕事に取り組みたい」――。そのつもりでも、ふだんの仕事で「ムダな作業」に追われていると感じている人が約8割にのぼることがわかった。なかでも、労務管理にかかる作業の時間を「ムダ」と思っている人は7割近くに達している。
働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を開発、提供するチームスピリット(東京都中央区)が、働く男女1032人を対象に「タイムマネジメントに関する意識調査」を実施。その結果を2019年3月29日に発表した。
月の約半分を「ムダな作業」と感じている
調査によると、ふだんの仕事で「ムダな作業がある」と感じている人は、全体の78.0%と、約8割にのぼることがわかった。なかでも、「業務報告書」や「日報・週報の作成」、「稟議・申請」、「勤務登録」、「経費精算」、「工数計算」の作業を「労務管理」と定義すると、労務管理の作業でいずれかを「ムダ」と思っている人は681人で、66.0%を占めた=下グラフ参照。
「ムダと感じる作業」の総計では、週16時間、月に換算すると66時間にものぼり、働いている時間(1日7時間)で考えた場合、月の約半分の時間が「ムダと感じる作業」に充てられている。
そのうち、労務管理の作業にかかっている時間を合計すると1日当たり約2時間、週10時間、月に換算すると40時間にものぼる時間が労務管理に充てられていることになる。これは全体の60.9%を占めている。
その一方で、日常の定型的な仕事ではなく、仕事のやり方を工夫したり、自分なりのやり方でやってみたり、新しい解決方法や仕組みを考え出したりする、「創造的に仕事がしたい」と思っている人は全体の90.7%と大多数を占めた。
ただ、「創造的に仕事に取り組みたい」人のうち、実際に創造的に仕事に取り組めている人は、52.2%にとどまる。「創造的に仕事に取り組めない理由」は、1位が「時間がないから」(53.9%)で、働き盛りの30代で顕著だった。
2位の「心のゆとりがない」は38.2%で、1位とは15.7ポイントも差があった。3位は「人手が足りない」(36.9%)、4位「自分に裁量がない」(32.3%)と、2位以下はそれぞれ3割を超えた。
働き方改革時代に、86.1%の人が「適切なタイムマネジメントは仕事によい効果をもたらす」と考えており、期待の高さがうかがえる。