社長が抜いた宝刀「私のやり方に反対なら、会社を去れ」 して、その後は......(大関暁夫)

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   家電量販店大手「ノジマ」の野島廣司社長が、M&Aで経営統合した子会社の社員を名指しで「こんなひどい店長がいるのかと思うぐらいひどい店長で、使い物にならない」と発言しました。

   その内容が、そのまま社内のイントラネットに掲載され、名指しされた社員が退職に追い込まれていたという事実が報道され、インターネットで非難が集中、炎上するという騒ぎが起こっています。

  • 社長が言っていいことと悪いことがある!?(写真はイメージ)
    社長が言っていいことと悪いことがある!?(写真はイメージ)
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社長が言っていいことなのか?

   野島社長の子会社人材の批判は、社内だけでなく投資家を集めたIRミーティングの席上でも展開されたといいます。

   「(ITX社員の)良い人材と悪い人材の差が激しかった」。公の場で社内の恥をさらすかのような、こういった発言はいかがなものか。そんな批判がネットを中心として噴出したのです。

   この騒動を受けて同社広報は、「当社代表の野島廣司が感じたことは、よい事例も、悪い事例も従業員に対してオープンにすることで、業務の改善に活かすという社員教育の一環として行ったもの」との、野島社長の考えを代弁する見解を公表しています。

   ちなみに、本件を取り上げたネット記事などで繰り広げられた批判的なコメントは、以下のようなものです。

「社長ともあろう人が、名指しで社員批判ってどうなのよ。ひどい経営者だ」
「トップに公に聞こえるような声で関連会社の社員をディスたりされたら、社員たちはやる気なくすだろ。ITX再起不能」
「社長にイントラで批判された社員は、いたたまれずに退職したんでしょ。立派なパワハラ。社長こそクビだな」

   これらのコメントを見る限り、なぜ野島社長の発言がここまで騒ぎになったのかというのは、発言の張本人が「社長だから」ということに尽きるようです。

   社長という立場は、子会社の管理という観点から考えれば最高責任者であり、たとえ自分が立ち上げた会社ではなくとも、その責任者として皆に聞こえるような声で言っていいことなのか否か、ということなのでしょう。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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