年収1000万円以上、残業無制限 「高度プロフェッショナル」たちのナマの声

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   今年(2019年)4月から実施される働き方改革法に関連して、「高度プロフェッショナル制度」(高プロ制度)が導入される。

   いわゆる「高プロ」とは、いったいどんな人なのか? 就職・転職者向け企業情報を提供するサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズの「働きがい研究所」が2019年3月12日に「高プロ対象者はどんな人?」という調査を発表した。月に最高140時間の残業をこなしながら年収2000~3000万円を稼ぎ、職場の「満足度」が極めて高いコンサルタントやアナリストらの姿が浮かび上がってくる。

  • 「高プロ」に多いコンサルタント(写真はイメージ)
    「高プロ」に多いコンサルタント(写真はイメージ)
  • 「高プロ」に多いコンサルタント(写真はイメージ)

「高プロ」の半分以上がコンサルタント業

   「高プロ」制度の対象者の職種や年収は、厚生労働省が省令で定めることになっている。2018年12月に省令案がまとまり、

(1)年収は、賞与を除いて1075万円以上。
(2)対象職種は、顧客の業務の相談に乗るコンサルト、資産運用・有価証券市場などの金融ディーラー、アナリスト、金融工学の知識を元に行なう金融商品開発者、新たな技術・商品・役務などの研究開発者など。
(3)企業側が出勤時間など業務上の具体的な指示をできない者。

などと決まっている。

   Vorkersの特色は、会員による入社した企業のクチコミ投稿だ。調査では、現職の社員による44万8510人の投稿から、このような「高プロ」制度の対象者のデータを集め、年収や職種、残業時間、働き方、そして職場の「満足度」などを調べた。

   その結果、「高プロ」の対象者は全体の0.7%(男性0.9%・女性0.2%)の3003人にとどまった。年代別では、50代に占める割合が一番多くて3.3%、次いで60代の1.8%、40代1.7%、30代0.8%と若くなるほど減っていく=図表(1)参照

図表(1)高度プロフェッショナルの年代別対象者(Vorkers提供)
図表(1)高度プロフェッショナルの年代別対象者(Vorkers提供)

   「高プロ」の対象者の職種を調べると、コンサルタント(専門職)が一番多くて50.2%、次いで金融(専門職)24.4%、機械・電気・電子・半導体(技術職)10.3%、化学・繊維・食品(技術職)8.7%となった=図表(2)参照。コンサルタントと金融関係だけで全体の4分の3を占めることがわかる。

   コンサルトが圧倒的に多い理由について、J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じたヴォーカーズの広報担当者はこう説明する。

「業界ごとの平均年収ランキングを見ると、コンサルタントはいつもトップクラスに位置します。それだけ一人当たりの生産性が高いため、高プロの対象者が多くなると考えられます。また、他の業界と比較して、実力次第で若いうちから高い地位を獲得することができ、人材の流動性も高いため、年功序列の固定的な企業より高年収の人材の割合が高いと言えます」
図表(3)高度プロフェッショナルの働き方
図表(3)高度プロフェッショナルの働き方

   職場の評価や残業時間、有給消化率をみると、面白い結果が出た。高プロ対象者の月平均の残業時間は約50時間と、全体の平均約37時間より13時間も多い。しかし、有給消化率は約50%と、全体の平均約44%より、6ポイントも多い。これは、メリハリをつけて効率的に休みをとっていることがわかる。

   また、「待遇の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「法令順守意識」など、職場の評価に関しては、すべての項目で全体の平均を上回っている=図表(3)参照

   残業が長いことを除くと、不満なことはほとんどないように見える。これはどういうことだろうか。広報担当者は、こう説明した。

「一人当たりの生産性が高い職場なため、基本給のベースが比較的高給であるのに加え、仕事の結果や成果に応じてしっかりと還元される会社が多く、モチベーションが高いのです。また上昇志向の高い社員や優秀な社員が多く、刺激を受けながら仕事ができて、成長実感も得やすい。ただ、顧客に合わせる仕事のため労働時間をコントロールすることが難しく、長時間労働になりがちですが、働き方改革も徐々に進んでおり、残業時間の抑制や有休消化についても考慮される傾向になってきています」。
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