外国為替市場が円高ドル安に振れて、日経平均株価の上値が抑えられているなか、3月期末配当の権利付き最終売買日が2019年3月26日に到来する。過去3年をみると、権利付き最終日の日経平均株価の終値はいずれも100円を超える大幅高だった。
一方、英国の欧州連合(EU)離脱の、29日の期日を前に再び迷走。「合意なき離脱」の恐れがくすぶっている。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 期末配当の権利取りがポイント
日経平均株価予想レンジ:2万1300円~2万1900円
2019年3月22日(金)終値 2万1627円34銭
今週の日経平均株価は、3月期末配当の権利取りをめぐる動きがポイントとなりそうだ。
前週の株価は、上値の重い展開。日経平均株価は一時2万1700円まで上昇したが、21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で年内の利上げが見送られる見通しとなったことで、ドル円相場が円高に振れたことが、日経平均株価の重しとなった。
今週は、26日の3月期末の権利付き最終売買日をめぐる受給が注目される。権利取りの買いが予想されるものの、すでにかなりの買いが入った可能性があり、配当落ちとなる27日以降は、日経平均株価の下げが予想される。半面、下げ局面では買いも予想されることから、日経平均株価ベースで170円程度と予測されている権利落ち分を、どの程度で回復できるかがポイントとなりそう
。経済指標では、国内では29日の2月の労働力調査・有効求人倍率、鉱工業生産など。米国では26日の2月の住宅着工件数、27日の1月の貿易収支、28日の2018年10~12月期GDP(国内総生産)確報値、29日の2月の新築住宅販売件数などに注意が必要だ。
東京外国為替市場 28~29日の米中貿易協議に注目
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~112円00銭
2019年3月22日(金)終値 1ドル=109円91銭
今週の外国為替市場は、ドル円相場でドルの上値は重くなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが下落した。3月21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、年内の利上げが見送られる見通しとなったことで、ドル円相場はドル売り・円買いが優勢となった。さらに、世界経済の減速懸念もドルの上値を抑えた。
今週のドル円相場は、米国の2019年内の利上げ見送り見通しが根底にあるため、引き続きドルの上値が重くなりそうだ。
ただ、英国のEU(欧州連合)離脱問題が再び混迷しており、ユーロからドルへの回避も予想されるため、注意が必要だろう。また、28~29日に開催される予定の米中閣僚級貿易協議も注目材料。この協議で進展が見られないようであれば、ドルの上値を抑える材料となりそうだ。
27日の米国の1月の貿易収支、28日の米国の2018年10~12月期GDP(国内総生産)確報値に注目したい。
(鷲尾香一)