中国語サイトが中国で見えない! 特殊なウェブ環境に対応するには「コツ」がいる

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「巨大市場」中国に、日本企業は及び腰

   私と中国とのかかわりは2006年に、メーカー駐在員として働き始めたことがきっかけです。その後、上海でウェブ制作やマーケティングに従事しました。中国のウェブ環境は、これまで10年間以上の体験から言っても、確かにややこしいです。でも、プロモーションの照準を大勢の潜在顧客がいる場所に合わせることはビジネスの基本ですよね。中国向けサイトがこうした状況なのは、日本企業の中国へのスタンスがまだまだ及び腰であることを映していると思います。

   もっとも、自社の中国語サイトを診断し、ちゃんとしてほしいというオーダーは、じつはここ最近、ジワジワ増えつつあるんです。

   「サイトを診断してほしい」というオーダーを受けると、中国各地にいる私たちのスタッフがそのサイトの現状を動画で撮影。なかなか開かないようなら、問題点を特定して対策を講じます。改善対策後、スムーズに開くようになった様子も動画で報告。当社では、このようなサービスに対してフィーをいただいています。

すぐ隣にある巨大市場を相手にしない手はない!(写真は、レクサーの中島嘉一社長)
すぐ隣にある巨大市場を相手にしない手はない!(写真は、レクサーの中島嘉一社長)

   2025年の大阪万博の開催が決まって、インバウンド需要がより続く見通しが立ってきたことや、最近は日中関係がよくなってきていることが、「サイトを点検しよう」という動きを促しているとみています。

   じつは最近の特徴として、健康診断や美容整形といった「医療インバウンド」を手掛けるクリニックなど、これまでよりも広い分野の人たちまでも、中国語サイトの「見え方」に意識を向けてきていることがあります。

   昨今、中国経済の減速が何かと注目されています。ただ、減速しているとはいえ、2019年のGDP(国内総生産)成長率の目標はまだ6%台。日本円に換算すれば90兆円前後の富が新たに生み出されていくわけです。

   すぐ隣にある、こんな巨大市場を相手にしないのは、不作為の罪に近いんじゃないかとまで、私は感じています。

《プロフィール》
中島 嘉一(なかじま かいち)
愛媛大学情報工学科卒業後、船井電機に入社。同社の中国拠点で勤務後、2012年から上海で日系企業のホームページの制作やウェブマーケティングに携わる。16年4月「レクサー」を創業。17年12月に中国最大手検索サイト「百度」(バイドゥ)日本法人と提携する。中国の最新ビジネス事情を発信する「36Kr Japan」(https://36kr.jp/)顧問を兼任。
1983年、愛媛県出身。36歳。

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