だいぶ暖かくなって過ごしやすい気候になりつつあるなか、企業の業績発表に、株取引する人たちにとっては、悩ましくて過ごしにくいこの頃である。
2月以降、企業の業績発表がいよいよ集中。ニュースも収益をめぐる報道であふれている。そのため、さまざまな指標をもとに株を選んでいた自分にとっては、いろいろなニュースが飛び交うせいで、どの株を選ぶか非常に迷った。
そんな中で、今回は原点に戻り食品を中心に取り扱っている企業を選ぶことにした。
配当利回りに着目したら、見えてきたこと
【大冷(2883)】
2019年2月14日終値 1736円
同日、1株当たり1730円で100株を購入した。
年初来高値(2018年1月22日) 2299円
年初来安値(2018年12月25日) 1550円
2019年2月28日終値 1735円
今回選んだのは、「大冷」。2月は業績発表を控えている企業がたくさんあった。株取引において業績発表はどちらに株価が動くか読みづらく、うまくいけば多くの利益が得られるが、逆に一気に損失が膨らんでしまう可能性がある。そんなタイミングでの投資はなかなか難しい。
それを、株取引を初めて間もない自分が「打って出た」としたら、当然負ける(だろう)。そこで今回は1月中に業績を発表して、その後の株価も安定している大冷を選んだ。
とはいえ、1月中に業績を発表している企業もたくさんあった中で、ではなぜ大冷を選んだのかを説明していく。
選んだ理由は、次の三つだ。
1. 配当利回り、PER(株価収益率)、ROE(株主資本利益率)などの指標が平均以上。
2. 業績がおおむね予想どおりで株価も安定している。
3. 企業のこだわりが素晴らしい!
一つ目の、さまざまな指標が高水準というのは今までどおりだが、今回はROA(総資産利益率)※ ここ、PERでなくていいのですか? やROEなどだけではなく、配当利回りにも注目した。
2018年11月5日付の「企業分析バトル」で選んだ「不二家」はROA、ROE、自己資本比率が平均値より大幅に上で、とても安定した企業だった。しかし、配当利回りは0.5%前後と、とても低かった。
また、12月に選んだアサヒグループホールディングス(2019年1月13日付)は配当利回りこそ高かったものの、ROAやROEなどの指標は平均値より少し上というくらいだった。
しかし、今回選んだ大冷は配当利回りも1.6%を超えており、自己資本比率などの指標も平均値より大幅に上回っていた。バランスのとれた経営状況にあることがうかがえる。
株価がいきなり急落可能性は少ない
二つ目の理由は前述したとおり、1月に業績が発表されていたため、株価がある程度安定していたうえ、2018年度に比べると、最終利益こそ低くなっていたが、売り上げは上昇していて予想の範囲だったため、今後いきなり急落する可能性が少ないと予測できたから。
最後の理由は、株価に直接影響がないが、自分が食品メーカーに勤めたいという願望もあって、個人的にはとても重要なものになっている。
大冷のこだわりは、「骨のなし魚」にある。主に病院や老後施設などの医療・福祉施設を相手に取引しており、骨があると安心できない方のために骨が一本もない魚を提供している。このようなこだわりを守りとおしているところが尊敬できるうえ、今後、年配の方が増えていく日本では重宝されていくものではないかと思い、選んだ。
2019年2月14日に、1株1730円で100株を購入した。
【株式取引ルール】
- 月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
- 投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
- 1年間のトータルで損益を競います。