転職市場でも重視される
「社会人になった最初の1年間の頑張りいかんによって、人生はまったく違ったものになる」と、菅沼さんはいう。社会人1年目を「真っ白なキャンバスの上に描いた下地」に、たとえ後に別の絵などを上書きしても、下地はいつまでも残り、終生の自身に影響を及ぼすという。
人材を求めて転職市場を探ることがあるが、その現場で活動する転職コーディネーターが「『1社目でどんな会社に勤めたか』を非常に重視する」というエピソードを紹介。すでに転職を経験している人材でもそれは変わりなく、それは1社目がどういう会社で、どれくらいの期間勤めていて、そこでどのようなスキルを身につけたのかが、転職先で活躍できるカギになるからだ。
今後の労働事情の見通しでは、新卒で就職した後に勤め続けることより、適性や報酬などによって勤務先を変えることが一般的になるとされる。一人ひとりが、まさに「人財」となることが見込まれ、こうしたことからも1年目の過ごし方が大切になるという。
本書では「仕事の捉え方」「働き方」「仕事と遊び」や「手帳の使い方」から「異性との飲み会」などに至るまで、仕事にかかわるさまざまなテーマについて「伸びる人」と「伸びない人」を対比して、それぞれのアクションや反応、立ち回り方を指摘。たとえば「異性との飲み会」の項では、「伸びない人」は「合コンを息抜きだと考える」が「伸びる人」は「合コンを最高の営業トレーニングと考える」という。
目次にたくさん並ぶ「伸びない人」「伸びる人」の対比をみると、なんとか最初の1年間は頑張れるかもしれない。「仕事での目標」をめぐって、「伸びる人」は「120%を目標にする」ものだが「伸びない人」は「与えられたノルマを目標にする」。「伸びる人」になれるかなれないかは、あなた次第です。
社会人1年目の教科書
「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣
菅沼勇基著
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
税別1380円