「挨拶」はビジネスマナーの基本 「ことば」に出せない人「偏見」があるかも(篠原あかね)

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ある横柄な男性社員のケース

   これはある男性社員の話です。

「この前、昼食後にトイレで歯磨きをしていたら鏡に歯磨き粉が飛び散った。すると清掃係の女性が『私がきれいに拭き上げたすぐ隣で、こんなに飛び散らかさないでください』と怒られた。清掃するのが仕事だから、また拭けばいいのに文句を言うなんておかしい」

と、不満な様子。しかし私は、女性がひと言言いたくなる気持ちがわかります。

   女性は使命感を持って仕事をしたのに、その隣で当り前のように汚されたら、悲しい気持ちにもなるでしょう。せめて「お疲れ様です」「鏡が汚れてしまいました。ごめんなさい」などの声をかければ、女性も快く拭いたのではないでしょうか。

   ちなみに、この男性はレストランのスタッフやタクシーの運転手さんにも横柄な態度で有名です。ひとつ間違えると、職業差別にあたるかもしれないのです。おそらくは皆さん、不愉快な態度を取られても、グッと堪えて仕事をしているはずです。

   職業で挨拶の有無を決めるのではなく、人と関わるうえで挨拶は基本中の基本です。自分から積極的に挨拶をすることで、よい人間関係を築き、心も磨いていきたいですね。

(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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