「人材育成」への不満が強い
古屋氏は「滞留・ぶら下がり型」社員の企業に対する不満の正体を明らかにするため、各項目のスコアと総合スコアのかい離を計算し、さらに評価者全体との値とも比較分析した。
その結果、「滞留・ぶら下がり型」 で最も低評価だった項目は「人材の長期育成」だった。
逆に、最も評価が高かったのは「法令遵守意識」だった。
「滞留・ぶら下がり型」の社員が不満を持つ企業には、法令遵守の意識が高い一方で、人材の長期育成に課題がある企業が多いといえるのかもしれない。
古屋氏によると、「滞留・ぶら下がり」型の社員は近年、減少傾向にあることにもふれている。その一方で「滞留・ぶら下がり」型の社員の平均年齢は33.3歳と評価者全体(33.9歳)と比べても低く、今後のキャリアパスが続く中で望ましくない状態に陥っていると指摘する。
古屋氏は社員の不満を解消する環境の構築や、年齢の若い社員に対しては社外環境にふれる機会を増やすなどして退出を促すことが必要だと説いている。
なお、古屋氏の分析はVorkersの調査機関「働きがい研究所 by Vorkers」(2019年2月27日付)のレポートとして公開されている。