コンビニオーナーは「甘い」!? 企業家の端くれとして考えるべき「契約」のあり方(大関暁夫)

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「契約」をビジネス先進国の欧米と比べると......

   このようなT氏の見解が論理的には正しいとしても、こと一個の人間としての健康などにも関わる問題でもあり、果たして倫理的はどうなのか、さらには心情的にはどうか等々を加味して考えると、成否の判断は難しいようには思います。

   ただ、「契約」というものに対する考え方がビジネス先進国である欧米に比べて甘いという点はT氏ご指摘のとおりであり、企業経営者を含め日本のビジネスオーナー全般に言えることではないかと思います。

   欧米的では当たり前とされる契約至上主義的な考え方が、じつは平成を代表するビジネスとも言える欧米発のフランチャイズビジネスの店子オーナーではなく、昭和から脈々と続く大企業を中心とした下請けのピラミット構造内に生きる企業経営者にこそしっかりと守られているというのも、なんとなくおもしろい気がします。

   「平成」終了まで、あと2か月足らず。昭和、平成に続く新しい時代に、大小異なる資本の間で結ばれる契約を巡る我が国の考え方は、どのように変わりどのように事業経営に影響を及ぼしていくのか、今回の件の成り行きも含め注視が必要であると感じた次第です。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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