コンビニオーナーは「甘い」!? 企業家の端くれとして考えるべき「契約」のあり方(大関暁夫)

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サークル内の「掟」は守らなくてはいけない

「大きな取引先のビジネスモデルに入らせていただいて仕事をさせてもらう以上、そのサークル内の『掟』は守らなくてはいけないのです。理由はどうあれ、自社の勝手で『掟』に背くようなことをするのなら、そのサークルを離れなくてはいけません。フランチャイズ契約は『掟』でありそれに則った指示をうけているのなら、言わずもがなです。我々だって発注先大手さんからは幾度となく無理難題をぶつけられ、私自身が社員に代わって現場に入り、何日間も徹夜状態で急ぎの受注を死に物狂いでこなしたこともあります。オーナーの働き方改革? ビジネスオーナー自身には無関係という理解は、基本中の基本です」

   さらに、私があげた前記の(1)~(3)のような声をどう思うかをたずねてみると、T氏は、そのどれに対しても厳しい見解を返してきました。

(1)に対しては、「契約時点で自分が深夜勤務に入らざるを得ない、今回ようなの事態を想定できていなかったとすれば、それはビジネスオーナーとしての見通しが甘すぎる。ビジネスオーナーは従業員ではないので、ブラック批判は当たりません」
(2)に関しては、「フランチャイズ本部が儲けすぎているか否かは、ビジネスモデル上の問題であって本件と混同すべきではない。オーナーはそのビジネスモデルに納得して当初契約しているのであり、不満があるなら別途折衝して、契約内容の見直しを打診するのが筋」
(3)には、「たとえ状況はどうであっても、了解を得ないままでの契約に違反する行為はビジネスの基本として絶対に許されない。まずは契約に謳われている義務を果たすこと。権利主張はその後の話」

といった具合。

   そして最後に、

「厳しいことを申し上げるようだが、ビジネスオーナーというものはナマやさしいものではない。今の時代、そこをわかっていない『甘ちゃんビジネスオーナー』が多すぎるのではないか」

と、どこまでも厳しい見解で締めてくれました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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