保育所「落選狙い」は許せるか? 6割の働く女性が「許す」理由は政府の対策がなってないから

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「落選しなければ育休延長できないルールが問題」

(図表1)育休とるなら2年延長したいか
(図表1)育休とるなら2年延長したいか

   まず、「育休をとるとしたら2年まで延長したいと思うか」を聞くと、「保活(保育所への入所活動)の結果に関係なく思う」と「保活がうまくいかなければ思う」を合わせて55.6%の人が「思う」と答えた。「思わない」と答えた人は13.5%だけだった=図表1参照。育休をとるなら2年とりたい人が6割近くいるわけだ。

   次に「『落選狙い』が起きていることをどう思うか」(複数回答)を聞くと、「落選しなければ育休延長できないルールが問題」とする人がトップで60.2%、「本当に保育所に入りたい人に迷惑をかけている」(47.2%)、「自治体が保育所を十分提供できていないことが問題」(31.7%)などと続いた=図表2参照。6割の人が「落選狙い」もやむなしという見方のようだ。

(図表2)「落選狙い」をどう思うか
(図表2)「落選狙い」をどう思うか

   また、政府の「落選狙い対策は適切と思うかどうか」を聞くと、「適切と思う」とする人が30.8%、「適切と思わない」とする人が27.8%と、ほぼ賛否両論が拮抗した。しかし、この回答を「正社員」と「非正規社員」(パート・アルバイト・派遣社員)に分けて分析すると、正社員は「適切と思わない」が43.6%(『適切と思う』が28.8%)と批判的な人が多くなった。一方、非正規社員は「適切と思わない」が26.0%(『適切と思う』が30.5%)と容認する人が多くなり、真逆な結果となった=図表3参照

(図表3)政府の「落選狙い対策」は適切か
(図表3)政府の「落選狙い対策」は適切か

   この意識差はどういうことだろうか――。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じた「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長はこう説明する。

「正社員と非正規社員の間に、育休取得自体に対する温度差があるのかもしれません。『育休をとるとしたら、2年まで延長したいと思うか』という質問の回答を比べると、正社員で『思う』と答えた人は60.3%、一方、非正規社員は52.9%と差がありました。

差が生じている原因として考えられるのは主に三つです。(1)正社員のほうが長期就業を前提に働いている人の比率が高い(2)正社員のほうが1年以上雇用されているなど育休取得要件を満たしている人の比率が高い(3)正社員でないと育休取得できないという誤解が非正規社員にある。実際には、パート・アルバイト、派遣社員でも要件を満たせば取得可能なのですが......。

こうしたことから、あくまで推測ですが、正社員は育休延長志向が高く、育休延長したい人は、わざわざ『落選通知』をもらわなければならない仕組みそのものを変えてほしいという人が多いのだと思われます」
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