社長、上司、部下がギクシャク その打開策は「報・連・相」の「相」だった(大関暁夫)

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地位や信用を守るために「口を閉ざす」部下

   じつはこの流れ、先にあげた社長の対人関係上でのお悩み例にも、同じような原因があるように思います。

「彼らの考えていることがわからない」のは、社長の自分が否定されるのがイヤで相手の考えを聞こうとしないから。
「その申し出に、どう対処したらいいのだろうか」と悩むのは、下手な対処をすると社長としての威厳を失いそうな懸念はありながらも、意図的に黙殺しているから。
「機嫌を損ねずに、うまくやっていくのは難しい」と思うのは、機嫌をとるようなことをすると下手(したで)に出ているようで自分の価値を下げそうだから。

   それぞれ、そう解釈できるからです。

   ポイントはやはり、それぞれの立場がつくり上げたプライドやメンツが邪魔をした結果として、対人関係上で「やかっいなこと」と感じるものを生み出しているのではないかということなのです。

   部下は、上司との対人関係上で「やっかいなこと」に直面すると、主に地位や信用を守るために言うべきことを飲み込んで黙ってしまう。

   一方、上司における部下との対人関係上では、上司が自身のプライドやメンツを守る結果として無視したり、無理な命令を押し通したり。あるいはオーナー社長など自分よりも上席が存在しない絶対的立場では、感情にまかせて怒鳴り散らして威厳を保った気になってみたり、ということになりがちなのです。

   このようなある種の「保身」に邪魔された、コミュニケーション障害的な対人関係の打開策は、どのように考えたらいいのでしょうか。昨日のTさんとの会話から見えた解決のヒントは、なんとも初歩的な「報・連・相」(報告・連絡・相談)の「相」でした。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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