その79 政治家への「ノーベル平和賞」授与「こんなものいらない!?」(岩城元)

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政治家は世に平和をもたらすのが使命だ

   こうした類の話はまだまだある。もちろん、ノーベル平和賞に値した政治家もいる。しかし、大統領や首相などといった政治家は本来、世に平和をもたらすのが使命であり、仕事のはずである。それがうまくいったからといって、ノーベル平和賞まで差し上げる必要があるのだろうか。

   昨年(2018年)のノーベル平和賞は、コンゴ民主共和国の婦人科医のデニ・ムクウェゲさんと、過激派組織による性暴力の被害者で、被害者の救済を訴えるイラクのナディア・ムラド・バセ・タハさんが受賞。紛争下の性暴力根絶に向けた尽力が評価された。

   ノーベル平和賞は原則として政治家に与えることをやめ、こうした普通の人たち、言い換えれば、草の根の運動家――古くは1964年のキング牧師(マーティン・ルーサー・キング)や1979年のマザー・テレサ、1999年の「国境なき医師団」といった人たちを対象にすべきではないだろうか。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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