先行きに悲観的な「朝日」 模様眺めの「読売」
朝日新聞も「震源地は中国」として「中国経済の減速が日本を直撃した」との立場だ。
「過剰な債務を減らすために中国政府がとってきた引き締め策に加え、米国との対立が追い打ちをかけた。自動車やスマートフォンの売れ行きが悪くなり、中国企業が投資を手控える動きも広がる。あおりを受けたのが日本企業だ」
と指摘する。そのうえで、「(落ち込みが一時的か長期化か)1年ほどのデータも見る必要がある」と性急な判断を控えたが、次のような悲観的な見方を打ち出した。
「今回は、震災や増税後といった特殊要因は見当たらず、先行きへの楽観的な見方は多くない。食品などの相次ぐ値上げは、消費者の心理を冷やしかねない」
「米中対立は、新たな段階に入った。中国の通信機器大手ファーウェイが、同社製品を米国政府の機関が使うことを禁じた米国法は米憲法に違反している、と訴えたからだ」
そして、
「第一生命経済研究所の新家義貴氏は『2月の指標でリバウンドが限定的なら、景気後退の観測は一段と強まる。景気はまさに正念場を迎えている』と指摘する」
と結んだ。
一方、読売新聞は「景気が後退局面に入った可能性が出てきた」としながらも、「1月には特殊要因も重なっており、これから発表される2月以降の経済指標の内容が焦点になる」と模様眺めの様子だ。「1月の特殊要因」とはこうだ。
「1月に輸出と生産が減少した背景には、中華圏の春節(旧正月)が昨年より約10日早く始まり、春節前に中国の工場で操業休止が増え日本からの部品の輸出が減った」
「一部自動車メーカー(スバル)が部品の不具合で日本の工場の操業を一時停止した」
という事情を指す。