その78 JRの中途半端なサービス 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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東京―新大阪、いまや「ひかり」は1時間に2本

   話を戻すと、JRの「ジバング倶楽部」は旧国鉄の時代の、「のぞみ」が登場する前からあるサービスだ。だから、「のぞみ」の特急券が割引の対象外になっていても当初は不思議でもなく、また不便さも感じなかった。

   ところが、ダイヤ改正のたびに「のぞみ」は増え、「ひかり」は減ってきた。今や「ひかり」は「のぞみ」の補完的な存在に落ちぶれてしまった。東京―新大阪では昼間、「のぞみ」は1時間当たり10本前後走っているのに、「ひかり」はわずか2本である。

   もちろん、「のぞみ」に乗っても、乗車券だけは3割引きだから、割引なしの「のぞみ」の特急券を買ってもそれ相応にお得ではある。だけど、ジパング倶楽部の事務局に劣らずケチな僕は、そんなことはしたことがない。いつも「ひかり」で我慢している。

   加えて、以前は東京から博多まで行く「ひかり」があったが、いつからか「のぞみ」だけになってしまった。割引の特急券を使おうとすれば、今は新大阪で乗り換えたりしなければならない。割引サービスが、もうダイヤの「実態」に即していないのではないか。

   JRの「制約きっぷ」はほかにもある。ジパング倶楽部の会員は200万人以上いるそうだが、中途半端なサービスのおかげで、僕と同じように、何かと不自由な思いをしている老人も少なくはないはず。もちろん、すべての年代層が不便を感じているように思うのだが。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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