2019年3月1日に迫った米中貿易協議の期限が、最大のイベント。合意に向けて予断は許さないが、米中貿易摩擦の緩和ムードは高まってきた。米国の対中追加関税の引き上げが回避されれば、日経平均株価が上昇気流に乗れるかもしれない。ドル円相場は1ドル=110円台で底固い動きが続いているが、ドル上昇の可能性が期待できそう。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 心理的な節目「2万1500円」上抜けるか?
日経平均株価予想レンジ:2万900円~2万1900円
2019年2月22日(金)終値 2万1425円51銭
今週の日経平均株価は、上値を試す動きになりそうだ。
前週、日経平均株価は米中貿易協議の進展を期待して、米国市場の株高を背景に上昇した。2月18日から21日までの4連騰となり、上げ幅は500円を超えた。ただ、21日の2月のフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想を大きく下回ったことで、米国の景気減速懸念が強まり、22日は小幅ながら反落した。
今週、日経平均株価は心理的な節目となっている2万1500円を上抜けるようだと、上値を試す展開になる。
市場の期待どおりに米中貿易協議が進展するようであれば、2万2200円に接近する局面もありそうだ。ただ、27日には英国の欧州連合(EU)離脱に関する採決が予定されており、離脱の合意ができないようであれば、株価の売り材料として意識されそうだ。
注目材料は、国内では28日発表の1月の鉱工業生産、3月1日の1月の労働力調査と有効求人倍率、18年10~12月期法人企業統計。海外では、26日の米国の12月住宅着工件数、27日の米朝首脳会談、28日の米10~12月期GDP(国内総生産)などがある。
東京外国為替市場 1ドル=111円台に定着できるのか!
ドル円予想レンジ:1ドル=109円80銭~111円50銭
2019年2月22日(金)終値 1ドル110円68銭
今週の東京外国為替市場で、ドル円相場はレンジ内の動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は1ドル=110円台後半の動きとなった。2月19日には、日本銀行の黒田東彦総裁が衆院で追加緩和の可能性に言及したことで円安の動きが強まったが、21日の2月のフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想を大きく下回ったことでドル安の動きが強まった。そのため、ドル円相場はレンジ相場に終始した。
今週は、1ドル=111円台に定着できるのかが注目される。ドルは1ドル=110円台では底固い動きが続いているが、完全に1ドル=111円台に乗せきれない状態にある。1ドル=111円が下値となるようなら、111円50銭程度までドルが上昇する可能性がありそうだ。
注目材料は引き続き、米中の貿易協議。3月1日の期限までに合意するのか、あるいは交渉期限を延長するのか、米中の首脳会談の実現性などが注目される。
また、米国の景気動向についても注意が必要。2月のフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想を大きく下回ったこともあり、28日の米10~12月期GDP(国内総生産)の経済指標は注目される。
(鷲尾香一)