「働き方改革」の本質となにか!? 働く現場の捉え方は想像以上にひどい(大関暁夫)

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「働き方改革」なんて大企業の話でしょ......

   よくよく考えてみると、これらの話は携帯キャリアショップ、大手企業グループ、銀行の、すべてがいわゆる「大企業文化」の中にある企業たちです。

   では、「正真正銘」の中小企業経営者たちはどうなのかといえば、私がお考えを聞いてみた社長のほとんどが、「『働き方改革』なんて大企業の話でしょ。ウチらにそんな余裕はゼロです」(従業員20人の製造業社長)といった類いの、「我関せず」発言、「無関係者」発言なのです。

   ということは、片や大企業文化の中にある企業たちは「働き方改革」が本来の目的と、かけ離れた行動に終始し、片や一般的な中小企業経営者はこの問題に「我関せず」を決め込まざるを得ないという状況にある。どうも「働き方改革」が進んでいるという実感が得られないというのは、このような事情によるのだなと、実感させられるところです。

   「働き方改革」は、大企業だけでなく「下町ロケット」のような、中小企業を含めた多くの日本企業が国際的な観点からも胸を張れる経営効率化や生産性の向上を実現し、さまざまな国際化の流れの中で勝ち抜いていくために大切な問題であるわけです。

   毎月の最終金曜日をプレミアムフライデーと称して「働き方改革」の旗印にしようなどという、出足段階での政府の現場感のないバカげた施策に失望はしてはいましたが、現場における「働き方改革」の捉え方はこのように想像以上にひどいのです。

   政府、厚労省には、世界レベルでの「効率化と生産性向上の遅れ」というキーワードを、もっとしっかり前面に押し出して、企業規模を問わず経営者が「働き方改革」において何を考え、何をするべきなのか、もう少し明確な指針を示してほしいと、切に望みます。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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