被害者は「退職」が35%、「耐える」が33%
さて、こうしたパワハラ被害を受けてどう対応したのかを聞くと(複数回答)、トップ3は「退職した」(35%)、「気にしないようにした」(33%)、「パワハラをする人とは別の上司や先輩に相談した」(31%)だった。「人事やハラスメント対応窓口に相談した」(19%)、「労働基準監督署など公的機関に相談した」(9%)など、積極的に相談・解決に乗り出すより、職場を去ったり、現状のまま我慢したりする道を選ぶ人が多いかったのだ。「その他」(21%)という回答方の中には、「成果を上げて見返した」「録音をして、パワハラの証拠を集めた」「異動希望を出し続けた」などの対応もあった。 「パワハラをなくすためには、どんな方法が有効か」と聞くと、「第三者機関による社内風土のチェック体制をつくる」(50%)が最も多く。次いで「厳罰化」(46%)、「パワハラの定義を明確にする」(46%)が続く。個人では対応しにくいので、会社が対策を練ることに期待する声が多かった=図表3参照。
一方、35歳以上の中堅社員ともなると、パワハラの加害者の立場にもなりかねない。そこで、「自分がパワハラをする側になる可能性や経験があるか」と聞くと、「根拠はないが、気をつけて行動している」(34%)、「パワハラの定義を知っており、気をつけているので問題はない」(31%)と合わせて65%が「ない」と答えた。しかし一方、「実際にパワハラをしたことがある」(2%)、「自分の行動がパワハラでは、と思ったことがある」(27%)と合わせて29%が「ある」と答えた。約3割が、自分が加害者になっているのではないか、と不安を感じているのだ=図表4参照。