フェイクニュースを見破れ! 正しいかどうかを見極める、情報確認の原則(気になる本の散歩道)

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新聞記者もウソ情報を拡散

   「勝つための情報学 バーチャルからリアルへ」の著者、山村明義氏は、近い将来の世界は間違いなく「『情報』によって動くトレンドに変わる」と予言する。そうしたなかで、個人がどう情報を向き合うかを、さまざま角度から論じたている。

   山村氏は金融業界誌の記者、フリーランスのジャーナリストから転じたノンフィクション作家。本書では、トランプ米大統領の登場で流行語になった「フェイクニュース」に言及。それがこの数年に始まった現象ではなく、以前からも存在していることを、具体例でみている。

   フェイクニュースは、単なる「誤報」ではなく、ミスリードの要素を含んだもの。意図して発信される場合もあるし、意図しないまま流布されるものもある。エンクワイアラー紙の記事は、トランプ大統領の知人が意図して発信したフェイクニュースといえ、かかわった人の顔ぶれからは皮肉な出来事だった、と分析する。

   フェイクニュースの具体例としては、災害時の2次災害をめぐるデマや、戦前にもっともらしく伝えられた公文書がじつは存在しなかったこと、また、最近では著名な新聞記者がツイッターで誤った内容をリツィートする失態を演じたことなどについて解説。「『フェイクニュース』に騙されない情報学」「『真の情報』にたどりつくために」などのパートを設けて、表面的な判断方法ばかりではなく、情報が拡散する背景やプロセスなどを、わかりやすく述べている。

   わたしたちは、情報の洪水のなかで何を信じ、何を信じてはいけないのか――。

   その情報が正しいかどうかを確かめる、情報確認には原則があるという。

「いつの情報か」
「なんの目的で書かれたのか」
「書いた人は誰か」
「元ネタは何か」
「ちがう情報と比べたか」

――。

   ベゾス氏はこれらを確認のうえで、逆襲できたに違いない。

勝つための情報学 バーチャルからリアルへ 山村明義著 扶桑社新書
新書・239ページ 840円(税別)2018/12/27

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