2020年春卒業予定の学生を対象とした調査で、2019年2月1日時点ですでに「内定を得た」と答えた学生は全体の8.1%にのぼり、前年の4.6%を大きく上回った。
また、5月に予定される10連休中の採用活動については「やらないで欲しい」、「やむを得ない」がともに多く拮抗した。
「もう内定」の学生は5年で4倍近くに
調査は「キャリタス就活2020」を運営するディスコが行った「2月1日時点の就職意識調査」。それによると、2月1日時点でインターンシップへの参加経験を持つ学生は92.4%にのぼり、高水準だった前年(86.6%)を上回った。
1日時点で「企業の本選考を受けた」と答えた学生の割合は39.9%(前年比8.1ポイント増)で、そのうち「インターンシップ参加企業の本選考を受けた」と答えた割合は67.6%にのぼった。
1日時点で「内定を得た」と答えた学生の割合は8.1%で、前年同期の4.6%から3.5ポイント増えた。調査が開始された2015年(2016年卒対象)では2.2%で、5年で4倍近くも跳ね上がった。
文理・男女別では文系男子が8.4%(前年比1.9ポイント増)、文系女子が8.1%(前年比4.5ポイント増)、理系男子が6.2%(前年比2.2ポイント増)、理系女子が10.2%(前年比7.5ポイント増)だった。とりわけ理系女子の伸び幅が大きく、5年前の2%から5.5倍近い増加となった。
学生の「Uターン志向」は今年も上向かず
出身地・地元を離れて進学している学生に「Uターン就職を希望するか」と聞いたところ、「ぜひ出身地・地元で就職したい」と答えたのは13.7%。「どちらかというと出身地・地元で就職したい」と答えた学生は13.9%だった。
その一方で、「出身地・地元で就職したくない」と答えた学生は40.2%にのぼり、Uターン就職希望者(ぜひ、どちらかというと)の27.6%を大きく上回った。
下図では過去10年の「学生のUターン志向」の推移をまとめた。2010卒と11卒ではUターンを希望する学生の割合がそうでない学生よりも上回っていたが、12卒からは逆転。以降はUターンを望まない学生の割合が多い状態が続いており、その傾向は20卒でも覆らなかった。
10連休中の採用活動「やらないで欲しい」が4割弱
2019年のゴールデンウィークは新天皇の即位にともない10連休が予定されている。
ゴールデンウィーク中に採用活動を行うことについての考え(3択)を聞くと、「ぜひやって欲しい」が19.7%にとどまった一方、「やむを得ない」(41.6%)と「やらないで欲しい」(38.7%)に多くの票が集まった。
「ぜひやって欲しい」と答えた学生は
「早く内定が欲しい」(文系男子)
「実家に帰るGWに合わせ、地元企業に採用活動をしてほしい」(文系女子)
「平日は研究で忙しい理系院生も、GWなら就活ができる」(理系男子)
といった理由。
「やむを得ない」と答えた学生は、
「将来がかかっている」(文系男子)
「選考をやらないシワ寄せが他期間に来る」(文系男子)
といった理由をあげたが、「志望度が低ければ見送るかもしれない」(文系女子)という声もあった。
「やらないで欲しい」と答えた学生は、
「いつも以上にお金がかかり、(宿泊施設などの)予約がとれなさそう」(理系男子)
「GWに採用活動を行う企業はブラックだ」(文系男子)
「休みをとって就活を見つめ直したい」(文系女子)
「研究調査で忙しい」(理系女子)
といった声があった。
なお調査は、就活サイト「キャリタス就活2020」を利用する学生モニターで、2020年3月卒業予定の大学3年生と理系の大学院修士課程1年生の1322人で、うち文系男子が450人、文系女子が381人、理系男子が325人、理系女子が166人だった。2019年2月1日~6日に、インターネットで実施した。