【企業分析バトル】テーマはズバリ「インカムゲイン」 外食大手の「Plenus」に照準(一橋大)

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   今回の企業分析バトルの銘柄を選定するうえで、テーマにしたことはズバリ「インカムゲイン」である。

   2018年は、16年、17年と続いた株式市場の好調から一変、全体的に株価の低迷が目立った。そこで、配当金や株主優待といった安定した収益に焦点を当て、下落相場に遭遇した場合でも強く保有を続けることのできる銘柄を見つけたいと考えた。

   今回紹介する「Plenus」が、そのテーマにいかほど合致しているのか、を述べていく。

  • 株主優待券を使って、楽しい食事!(写真はイメージ)
    株主優待券を使って、楽しい食事!(写真はイメージ)
  • 株主優待券を使って、楽しい食事!(写真はイメージ)

弁当店からレストランまで、全世界に3407店舗を展開

【Plenus(9945)】
2019年1月25日   保有株数   100株  
           取得単価   1895円(1月25日取得) 
年初来高値(2019年1月4日)  2477円
年初来安値(2018年7月11日)  1584円
2019年1月31日現在       1836円

   「株式会社Plenus」と聞いてピンとくる人はあまりいないかもしれない。しかし、弁当チェーン店の「ほっともっと(Hotto Motto)」や、定食や丼が主力の外食チェーン「やよい軒」、しゃぶしゃぶと飲茶のレストランの「MKレストラン」の、いずれも知らないという人はほとんどいないのではないだろうか。

   Plenusはこれら三つのブランドを中核に据える、「食」の大企業である。1960年に、現在の社長である塩井辰男氏の父、末幸氏によって創業。2010年に、創業50周年を迎えた。

   現在は「Plenus,Inc.」「北京好麦道餐飲管理有限公司」など12のグループ会社が存在しており、外食3ブランドを合わせて、全世界に3407店舗を展開している(2018年12月31日時点)。

業績は冴えない
業績は冴えない

   ただ、業績は下火。2018年の売上高は例年どおりしっかりと確保しているものの、営業利益の大幅なマイナスが目立つ。その要因としてあげられるのが、原価率の上昇と人件費の増加だ。

   改善案としては、グループ内の製造能力を拡大させ、スケールメリットを生かした原価率の改善を図ること。クルーディベロップ部を新設し、労働環境を改善させることなどをあげている。

「インカムゲイン」利回りは4%超

   株主への利益還元策をみると、配当政策では、Plenusは配当の基本方針として1株当たり年間配当60円、もしくは配当性向50%を達成する金額のどちらか高い額を支払うことを掲げている。

長期保有に適した利回り
長期保有に適した利回り

   2019年1月25日の終値1895円で、配当利回りを計算すると、

60÷1895×100=約3.16%

   配当利回りは、3.16%になる。

   また株主優待として、「ほっともっと」や「やよい軒」、「MKレストラン」で利用できるお買い物優待券が用意されている。

   仮に最小単元の100株を購入した場合、2500円分の優待券を年1回受け取ることができる。ここで先ほどと同様に優待利回りを計算すると、

2500÷(1895×100)×100=約1.31%

   優待利回りは1.31%となる。

   配当金を含めた、インカムゲイン合計の利回りは4%を大きく上回ることがわかる。これは安定した収益を確保するためには、申し分ない数値である。

   一方、現在(1月25日時点)の株価は1株当たり1895円。業績の停滞に加えて、市場全体の勢いのなさを嫌気してか2018年は大きく値を下げた。しかし長期的にみると、このレベルの値下がりは数年前にも発生しており、現在値は支持線にちょうど重なるところに落ち着いている。

   配当金や株主優待を目的とした長期保有を、今から始めることは、悪くない選択なのではないだろうか。

株価の推移(出典:yahoo! financeの株価チャート)
株価の推移(出典:yahoo! financeの株価チャート)

   Plenus株は、営業利益の悪化から2018年を通して下落する傾向が続いていた。それにより、現在の株価は以前つけた底値に近づき、価格的に購入しやすいタイミングと言えそうだ。

   業績の成長やシェアの拡大が大きく望めるわけではないため、値上がり益はあまり想定することができないが、「配当利回り+優待利回り」の優秀さを考慮すれば、長期的な保有に値する銘柄ではないかと考えている。

【株式取引ルール】
・月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
・投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
・1年間のトータルで損益を競います。
プロフィール
一橋大学 マックス
経済学部2年。投資サークルに入り、2017年から株式投資を始めた。企業の決算や市況を見ながらの中長期的な投資が好きで、チャートはあまり見ない。週末、家でゆっくり銘柄を探すのが好き。投資で稼いだお金で老後を悠々自適に過ごすのが目標。宮城県出身。
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