米中貿易摩擦が激しくなったきっかけのひとつに、2018年12月のファーウェイの副会長、孟晩舟氏の逮捕があるとされる。さらに、その背景には、次世代の通信規格である「5G」(第5世代移動通信システム)をめぐる、米中の覇権争いがあるという。
正直、ITオンチには「5G」がどれほどのものなのか、よくわからない。これまで、IT銘柄にもあまり興味がなかった。とはいえ、話題でもあるので、ちょっとばかり物色してみようと思ったら......。
米中が「覇権争い」するほどのモノ凄い技術
2019年1月26日のテレビ朝日の情報番組、「池上彰のニュースそうだったのか?」で、ファーウェイ事件が取り上げられていた。中国のファーウェイは、世界トップレベルの通信技術を有し、なかでも「高速通信規格5G」は、世界をリードする最先端技術という。
5Gは現在のスマートフォン(4G)と比べて、最大通信速度が100倍。一度に接続できる機器も100倍になるといわれるほど、超高速で超高性能の通信が可能になる。番組では、「5Gを使うと、2時間の映画を5秒以内でダウンロードできる」と解説していた。
移動体通信は、約10年ごとに新しいシステムが開発されており、5Gは2010年ごろから普及しはじめた4Gの「LTE」の後継システムとして研究開発が始まったとのことだ。
一方、「モノのインターネット」であるIoT は、「家電や自動車、企業の設備など、さまざまなモノがインターネットにつながる仕組み。ネットを介して大量のデータを収集、分析して、利便性の高いサービスの開発に利用したり、オフィスや工場の生産性を高めたりできる」と期待されている(日本経済新聞2019年2月1日付「きょうのことば」)。
産業やインフラ、医療、教育、サービスといった分野がつながり、生活のほとんどがIoTなどを介してネットワークで接続される。その通信規格を5Gが担うことになるというわけ。5Gは、自動運転車やドローン、あるいは建設機械、医療機器の遠隔操作などでも重要なインフラになると考えられているようだ。
なるほど。おそらく5Gは政府や軍などの安全保障面でも欠かせない、モノ凄い技術で、米中が目の色を変えて「覇権争い」をするわけなのだ。