【カス丸の健康診断】猛威を振るうインフルエンザ まだ間に合う職場の予防対策

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   今冬(2019年)もインフルエンザが猛威を振るっているじぇい。

   暦のうえではもう春なのに、北風がぴゅ~ぴゅ~吹いたり雪が降ったり。まだまだ寒い日が続いてるじぇい。

   そこで、まだ間に合う職場でのインフルエンザ撃退法を、医療法人社団勝榮会・いりたに内科クリニックの入谷栄一理事長・院長にアドバイスしてもらったじぇい!

  • もしかしたら、インフルエンザかも……
    もしかしたら、インフルエンザかも……
  • もしかしたら、インフルエンザかも……

家でできるインフルエンザ予防は3つ

   職場でのインフルエンザ予防は、まずは職場に持ち込まないことだじぇい。ですよね、先生。そうなると、毎日が大事きゃすう。家に帰ってきてからできる、インフルエンザの予防対策を教えてほしいじぇい。

   家でできるインフルエンザの予防としては大きく3つあげられます。

手洗い
   流水と石鹸による手洗いは、手指などカラダについたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効です。 また、インフルエンザウイルスはアルコール製剤による手指衛生も効果があるので、すぐに手洗いができない場合は代用するといいでしょう。

適度な湿度保持
   空気が乾燥すると、気道の粘膜の防御機能が低下してインフルエンザに罹りやすくなります。加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)に保つことが効果的です。

十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
   偏った食生活は免疫力を低下させます。免疫力を高めるために、十分な睡眠や休養と豊富なビタミンを含むバランスのとれた栄養摂取を心がけてください。

   あれ、うがいはいいの?

   やらないより、やったほうがいいかもしれません。ただ、うがいについては一般的な風邪などを予防するにはある一定の効果を認めていますが、じつはインフルエンザを予防する効果については、科学的に証明されていないと政府が発表しています。
参考リンク:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/influenza.html

   日常の習慣としてうがいは大切ですが、インフルエンザを予防には期待しないほうがいいと思います。

マスクはぜいたくに使う

   へえぇ。じゃあ、家庭生活でできるインフルエンザの予防対策を教えてほしじぇい。

   まずは、こまめな換気ですね。寒いからといって、窓や部屋の扉を閉め切ったままはよくありません。定期的に室内の空気を入れ替えましょう。できれば1~2時間に1回換気するのが理想です。

   また、一般的にインフルエンザウイルは温度20~25度、湿度50~60%で感染力が下がるといわれています。暖房器具を使う場合、この温度と湿度を意識しながら、加湿器を併用するといいと思います。

   先生、食べ物や飲み物は? インフルエンザ予防に効果がある栄養素を教えてほしいじぇい。

   「栄養がある」というだけで、同じものを取り続けるのはよくありません。たとえば、テレビや雑誌で『インフルエンザには〇〇がいい』という情報が流れると、そればかり摂取する人がいるようですが、それは避けたほうがベター。栄養バランスが崩れます。

   十分な水分補給が基本で、ビタミンやミネラルを多く含む食事を心がけてください。 その中に、乳酸菌飲料を取り入れてみるのも一つ。乳酸菌飲料の中には免疫力を高める商品が売っており、1日1本程度取り入れてみるのもいいでしょう。

   先生が実践している独自の予防対策って、あるんきゃすか? あれば、教えてほしいじゃい。

   ええ、いいですよ。

マスクはぜいたくに使う
   外出時にするマスクの表面にはウイルスが付着している可能性が大きいですから、マスクは使いまわししないほうがいいでしょう。マスクの表面は、絶対に手は触れないように!
表面に触らないように注意しながら、1回ずつ使い捨てて使います。

緑茶うがいやこまめな緑茶補給
   緑茶はオススメです。とくにカテキンを多く含む緑茶がいいんです。わたしは、カテキン成分が多い緑茶を購入しています。
また、頻回にうがいができない環境にある場合は、患者ごとに緑茶を一口ずつ飲んでいます。

職場よりも、すぐに病院へ行ったほうがいい場合?

   職場よりも先に、すぐに病院へ行ったほうがよいという、カラダの変調や症状を教えてほしいじぇい。

   はい。インフルエンザは多くの場合、自然治癒することが多い病気ですが、なかには「ハイリスク患者層」といわれる患者がいます。それが......

  1. 5歳未満の子供、とくに2歳未満
  2. 65歳以上の高齢者
  3. 妊婦、産後2週間以内
  4. 以下の1~6の基礎疾患を有する患者
    1. 喘息
    2. 慢性肺疾患(COPDなど)
    3. 心疾患(先天性心疾患、心不全、冠動脈疾患)
    4. がん患者
    5. 糖尿病
    6. その他(慢性腎臓病、慢性肝疾患、HIV、ステロイド使用者、神経疾患)

に該当する人で、生命を脅かす危険もあるため、すぐに病院へ行ったほうがいいとされています。
ただし、ここに当てはまらなくても、意識レベルが低下しているなど、いつもと様子が違う場合、呼吸困難や高熱が長引くなどの症状が認められる場合は、医療機関を受診してください。

   亡くなる人がいるのは、「ハイリスク患者」だったのかもしれないんきゃすね。あと気をつけたほうがいいこと、知っておいたほうがいいこと、ないきゃすか?

   よく、インフルエンザに罹った人が職場復帰する際に、職場に治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか? と聞かれることがあります。

   しかし、インフルエンザ陰性を証明することは一般的に困難であることや、受診で2次感染をもらうリスクがあります。また完治していない場合には、他の患者にインフルエンザをうつす可能性もあるため、受診(治癒証明書を取りに行くこと)は控えたほうがいいと思われます。

   厚生労働省も、職場の従業員に対して、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくないとしています。

   もう1点。インフルエンザ検査の精度は100%ではありません。インフルエンザ検査の精度は、じつは十分ではないんです。

   具体的には、(+)という結果ならインフルエンザとほぼ考えてよいのですが、一説には3~4人に1人くらいの頻度でインフルエンザであるにもかかわらず、(ー)という結果になるといわれています。
「検査が(-)だから大丈夫」と断言できない場合もあることを知っておいてください。

   インフルエンザ、やっぱり甘くみるとマズイじぇい。とにかく、ゆっくり休養をとることが大事だじぇい!

入谷栄一(いりたに・えいいち)
医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック 理事長・院長
総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医、インフェクションコントロールドクター、産業医
長年、大学病院でがんの臨床研究に携わり、がん患者の約6割がサプリメントなどの補完医療を行っている事実に直面。自身もぜんそく・アレルギーで苦しみ、現代医療に補完医療を取り入れ、人生が大きく変貌した経験をもつ。そうしたなか、「ハーブを使った自然療法」を通した手法が評価され、日本初のハーブ専門外来を開設した実績をもつ。
現在は、地域医療や在宅診療に力を入れており、執筆や講演活動を積極的に行う。著書に『病気が消える習慣』『キレイをつくるハーブ習慣』(いずれも経済界)
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