MBAのなにが必要なのか?
MBAは経営スキルを修めて得られる。その取得を足掛かりに目指すのは「経営のプロ」だ。バブル崩壊後、年功序列の日本的経営が行き詰まるなか、MBAを取得した社員らは米国など現地で、あるいは帰国後に外資系企業で学位を生かせるチャンスをつかんだ。
2008年のリーマン・ショック後、企業負担によるMBA留学は一気に少なくなったものの、景気の悪いときほど、企業は「MBA」を求め、またその真価が期待された。
それは、たとえば損益計算書(PL)上の指標を、目先で最大化するようなテクニカルなスキルではなく、組織の諸機能の相互依存を認識し、そのうちの一つの変化がどのように影響を及ぼすかなどを測れるコンセプチュアル・スキルを持っていることだ。
著者は、そういったスキルを磨くことを心がけよと説き、そして問題解決能力ではなく、どの問題に対応すれば企業としてより良くなれるのかを見極める、問題発見能力の養成に向かわねばならないという。