鳥取県は「理系の学生」に活路を求める
鳥取県は2018年から。京都府と同様に「併用型」だ。こちらは「大学卒程度」の行政職の1次試験を4つに分けている。
(1)一般コース=教養試験と専門試験を行なう。
(2)総合分野コース=教養試験はあるが専門試験がなく、代わりにエントリーシートに自己アピールを書く。
(3)キャリア総合コース=教養試験も専門試験もなく、代わりにエントリーシートに自己アピールを書く。
(4)環境コース=教養試験と専門試験を行なうが、専門試験の中に環境に関する問題を入れる(※環境行政の専門職向け)。
小さな県で、全部で30人ほどしか採用しない行政職を、なぜこんなに細かく分けたのか。取材に応じた鳥取県人事委員会事務局の担当者は、
「うちも、民間志望の人も受けやすくして、幅広い人材を集めたいからです。そのため、キメ細かくコースを分けて募集することにしました。特に、(2)の総合分野コースをつくり、専門試験だけをなくしたのは、理系の学生にも来てもらうよう工夫したのです。公務員の行政職と言えば、文系の学生ばかり集まり、法律や経済の問題が多い専門試験は理系の学生に不利だからです」
と話した。
ちなみに(4)の環境コースは、地元に「公立鳥取環境大学」があることも影響しているが、残念ながら2018年度は合格者がいなかった。
ところで、狙いどおりに「県庁の星」が入って来たかどうかだが――。
「実際に仕事についてもらうのは今年4月からですが、楽しみにしています」(鳥取県担当者)とのことだった。
(福田和郎)