「ロールプレイング」の盲点
では、具体的に知識とすべき営業スタイルとは何か――。それはイコール営業実績が上がっている人の売り込みやセールスのやり方なのです。しかし、先輩や同僚であっても、現実には優秀な営業担当のセールスの現場に立ち会って、そのやり方を知るチャンスはあまりありません。
そこで重要になるのが、ロールプレイング(以下ロープレ)という教育の場の活用なのです。
先日、このD社においても、担当役員から店長に「担当者教育で、具体的に何をしているのか」という質問がぶつけられると、店長から出された回答のほとんどが、「定期的にロープレをさせて、担当者のスキルアップをはっています」というものでした。
ここまではいいのですが、私が気になったのは、そのあとに補足として何人かの店長が付け加えていた、「実績が上がらないスタッフには、特に重点的にロープレをさせています」という話でした。じつは、ここに意外な盲点があるのです。
ロープレの目的は、果たして未熟なスタッフの実践練習であるべきなのか否か。もちろん、セールストークの実践練習としてロープレを活用することは無意味ではありませんが、ロープレの一番の目的は、じつはそこではありません。
セールスで成果を上げているスタッフのセールストークを見て学ばせること、そこにこそロープレ最大の目的を置くべきなのです。まさしく、生きた営業スタイルを学ばせる格好の場、それがロープレなのです。
これは間違った理解をしているケースが意外に多いのです。