掃除や整理、整頓など「5S活動」は成長のカギ
掃除などの5S活動と経営との相関関係については、アカデミックな研究の対象にもなっており、経営者にとっては、じつは掃除や整理、整頓は「ゲン担ぎ」とばかりで片づけられるものではない。幸之助翁ばかりではなく、ホンダの創業者、本田宗一郎氏もトイレ掃除を重要視していたことが知られる。また、現代のビジネスリーダーのなかにも、トイレ掃除の実践が成長へのカギとなった経営者がいる。
『トイレ掃除の経営学 ~Strategy as Practiceアプローチからの研究』(白桃書房)や『掃除と経営歴史と理論から「効用」を読み解く』(光文社)、『そうじ資本主義 ~日本企業の倫理とトイレ掃除の精神』(日経BP社)などの著書がある日本大学経済学部の大森信教授(経営学)は、それらのなかで、日本企業が国際的な競争を勝ち抜いて来られたのは「掃除」を発露とするような精神的土壌があったからと指摘している。