トルコ移籍「シンジ」の鮮烈デビュー 2発のゴールに独ドルトムントの心境は?(井津川倫子)

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香川選手は「寵愛」を失った?

   私がおもしろいと思ったのは、香川選手の鮮烈デビューを報じる一方で、ドルトムントからトルコのチームに期限付き移籍をした理由を、次のように断定しているメディアが多かったことです。

He has fallen out of favor with Dortmund coach Lucien Favre and joined Besiktas

(彼は、ドルトムント監督のリュシアン・ファーヴル氏の寵愛を失い、ベシクタシュに移籍した)

※fall out of favor with~:~の寵愛を失う

   香川選手は、2018年に監督に就任したファーヴル氏の構想から外れたため、試合出場の機会に恵まれなかったと報じています。

   ドルトムントではベンチを温めていることが多かった香川選手が、新天地で出場機会を得たとたん、それまでのうっぷんを晴らすように活躍するとは、何とも皮肉なものです。ファーヴル氏に見る目がなかったのか......。そう匂わせるような報道に、思わずくすりと笑ってしまいました。

   では、「今週のニュースな英語」は、「fall out of favor」(~の寵愛を失う、嫌われる)から、「out of favor」(人気を失う、嫌われる)を使った表現を取り上げます。

   まずは、ビジネスの場面で使える「fall out of favor」を使った表現から。

   I felt I had fallen out of favor with the boss.

   (私は、上司に嫌われているような気がした)

   「fall」の代わりに、「lose」「go」といった動詞も使うようです。

   lose a person's favor(人の引き立てを失う)

   go out of favor(人気がなくなる)

   「out of favor」の後に続く名詞を変えると、いろんな言い回しができます。

   out-of-favor stocks(不人気株)

   out-of-favor leaders(人気がないリーダー)

   それにしても、当のファーヴル氏は今回の香川選手の鮮烈デビューをどう見ているのでしょうか。香川選手にとって、ファーヴル氏に「back in favor」(再び気に入られて)古巣に戻ることが幸せなのか、新天地で活躍する道を選ぶのか。香川選手のプレーに注目です。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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