「成長意欲」が強くても管理職になりたがらないのは...
いったいなぜ女性のほうが「成長意欲」が高いのか。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じた砂川さんはこう説明する。
「旧来の男性中心の日本の職場では、男性であれば会社からさまざまな成長の機会を与えられます。ところが、女性は自分で成長を強く意識しないと『男性社会』のなかでやっていけないという側面があるものと思われます。また、女性の就労率が男性よりも低いなかで、成長を重視しない女性はすでに労働市場を去っている可能性もあります」
つまり、成長意欲の高い女性が、オトコ社会の職場に頑張って残っているというわけだ。
ところで、成長意欲の高い女性が管理職になりたがるかというと、そうではなかった。成長意欲のある男性の46.1%が管理職になりたいと答え、その割合は管理職になりたくない人 (33.6%)を上回るのに対し、成長意欲のある女性で管理職になりたい人はわずか20.0%にすぎず、64.4%が管理職になりたくないと答えた。
その一方で、男性では成長意欲がないにも関わらず管理職になりたい人が2割近く(19.8%)もいた。
では、なぜ女性は成長意欲が高いのに管理職になりたがらないのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2015年に発表した「女性管理職の育成・登用に関する調査」によると、女性は「管理職は家庭との両立が困難」と考えて管理職になりたくないと考える割合が男性に比べて高く、「管理職の多忙なイメージ」が子育てなどとの両立を難しいと認識させ、女性の昇進意欲を低下させていると指摘している。