ジャニーズで何が起きているのか?「嵐」が教えてくれた、ありがちな経営の落とし穴(大関暁夫)

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年齢を重ねて価値観や考え方が変わるのは当然

   2点目。一連のジャニーズ所属グループをめぐる相次ぐいざこざにおいて、商品の長期戦略の欠如以上に問題が大きいのは、商品でありながら生身の人間であるアイドルたちのフォローの欠如のということではないか、と考えています。

   すなわち、商品でありながら企業の稼ぎ手でもあるという特異な二面性を持ち合わせているアイドルグループですが、果たしてアイドルグループとしての同じ日々の繰り返しを長年続けさせることに、一個の人間として耐えうる限界があるのではないか、という疑問が当然頭をもたげるわけです。

   年齢が上がってくれば、それに伴う経験や知識の積み重ねが個々人の価値観や考え方にさまざまな変化を及ぼすでしょうし、自己実現意欲についても年齢とともにその形を変えたとしても、なんら不思議のないところではないでしょうか。

   それを、一部の単独活動はありながらも、基本的に固定のグループ活動をベースとした枠組みの中で長年日々繰り返しの活動を続けさせることは、メンバー一人ひとりのストレスを知らず知らずのうちに増やしてしまい、それは結果的にあるいはモチベーションを下げ、あるいはグループを抜けたい気持ちにさせ、あるいは今とはまったく異なった世界に飛び出したくもさせるのではないでしょうか。

   そして、それは最悪の場合、ストレスのあまり素行に問題が生じ不祥事を起こすということにもつながりかねません。それらがさまざまな形で連鎖的に表面化したのが、一連のジャニーズ事務所絡みのいざこざの正体であるように思います。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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