東京株式市場は一進一退の状況が続くなか、日経平均株価2万1000円台の回復が、引き続き注目される。回復すれば、2018年12月19日以来となる。米連邦準備理事会(FRB)による利上げの一時停止を示唆したものの、米中通商協議への期待や1月の米国雇用統計が市場予想を上回ったことが年内利上げの可能性をにおわせる。
ドル・円相場のゆくえがポイントになりそう。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場
日経平均株価予想レンジ:2万300円~2万1100円
2019年2月1日(金)終値 2万788円39銭
今週の東京株式市場は、上値の重い展開になりそうだ。2018年4~12月期(第3四半期)決算は、好業績の銘柄もあるものの、景気の先行き不安が強まっており、日経平均株価が2万1000円を上抜けるのは難しいだろう。
さらに、外国為替市場の円高がリスク要因となりつつある。2019年1月30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内の利上げ見送りを示唆した。米利上げの先送りは、米国株には好材料となりニューヨーク株式市場は上昇したが、その半面、為替相場は米利上げ先送りが要因となった。
今週も円高傾向が続くようだと、日本株の悪材料となるだろう。
米国の経済減速感が強まっていることにも注意が必要。米経済指標で弱い結果が出た場合、米国株の下げに加え、円高ドル安への動きが強まる可能性がある。
なお、今週はトランプ米大統領が一般教書演説を行う予定で、注目したい。また、中国が春節(旧正月)入りするため、中国株式市場が休場となるため、様子見材料になる可能性がある。
東京外国為替市場
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円00銭~111円00銭
2019年2月1日(金)終値 1ドル109円48銭
今週の東京外国為替市場は、円高・ドル安がどこまで進むのかがポイントとなりそうだ。2019年1月30日のFOMCでFRBが年内の利上げ見送りを示唆したことで、ドル・円相場は109円を割り込んだ。ドル・円相場は円高への動きが強まっている。
このため、ドル・円相場は目先、米国の経済指標に敏感に反応する可能性が高い。特に、米政府機関の一部閉鎖により発表が遅れていた経済指標が、トランプ大統領がつなぎ予算案に合意したことで、閉鎖が一時的に解除されたことから、10~12月期GDP(国内総生産)、12月の小売り売上高、12月の貿易収支などの経済指標が発表される予定だ。これら経済指標の結果次第で、一段の円高進行も考えられるため、注意が必要。
ドル・円相場は1ドル109円台に戻せず、108円台での動きが続くようだと、107円台をうかがう動きも出てくる可能性がある。
(鷲尾香一)