新天皇が即位する2019年5月1日が祝日扱いになったことに伴い、今年のゴールデンウイーク(GW)は、4月27日から5月6日まで10連休。参院選を控えての消費喚起や、改元に応じた和暦システムの更新に資することなどを考慮した措置とされる。
産業界では、観光やレジャー業界、小売業界などで関連消費の大幅アップが予想され、景気への刺激も期待されているが、その半面、10連休がマイナスに働く可能性も指摘されている。ホントのところはどうなのだろう――。
旅行関連消費は前年比28.9%増
ビジネスパーソンにとって長期休暇は、夏季や年末年始でもせいぜい5日間~1週間程度。「10連休」は異例の大型休暇になる。すでに旅行各社の海外ツアーでは予約が増えていることが伝えられている。
ニッセイ基礎研究所が1月21日付で公表したレポートによると、2018年は4月末の3連休と5月初めの4連休に分割されていたが、19年は4月30日~5月2日の3日間が休日となって消費機会が増えるほか、5月1日の「改元初日」の効果が期待される。皇居のある東京への旅行動機につながることなどから、今年のGWの旅行関連消費は、前年比28.9%(3323億円)増の1兆4824億円に膨らむ見込みという。
天皇が退位して上皇となり、新天皇が即位して改元されるなど、相次いで行われる皇室行事をめぐって、日本文化や歴史に関心が高まることが考えられ、レポートでは、古都・京都や奈良への国内旅行の需要の喚起も予想する。
影響の程度を、年始の一般参賀が参考に検討。今年は前年比22.1%増と大幅な伸び率を記録、合わせて15万4800人が入場。急きょ、お出ましの回数を増やされて対応するほどだった。
こうした現象は「新旧天皇への国民の関心の高まりを反映した」もので、皇居・乾通りの一般開放に入場者が殺到したことなどを合わせると、「多くの人が2019年には旅行需要が刺激されそうだと直感できる」としている。