スマホ世代の20代はガラケー文化の絵文字に冷ややか
今回の調査で興味深いのは、年代によって絵文字の使用の賛否に違いがみられたことだ。50代、60代と年齢が高くなるほど使用に反対する割合が高くなるのは当然だが、一番若い20歳代でも冷ややかな反応が多かった。その結果、賛成する比率が最も高いのは、30代前半~後半(約50~52%)で半数以上に達する。
しかし、20代前半は約37%と、50代前半とほぼ同じという意外な結果が出た=図表3参照。24歳以下の若者は、年配者同様にビジネスの場で絵文字を使うのはマナーに反すると考えているのだろうか。
五十川さんは笑いながら、こう説明した。
「じつはスマホネイティブの20代前半の人は、メールの文章の中に絵文字を入れるのは『古くさい、ダサい、オッサンくさい』と違和感を持っているのです。絵文字は30~40代の人が使っていたガラケー文化ですからね。携帯電話のキャリアメールを用いて顔文字や絵文字、デコメを利用していた世代と、LINEなどのコミュニケーションアプリでスタンプを使っている世代のギャップがよく表れています。絵文字に関心があるかを聞くと、最も関心がなかったのも24歳以下でした」
アンケートのフリーコメントの中には24歳以下の人の「絵文字入りのメールがくると、この文章を書いている人は絶対オジサンだと思う」といった意見が複数あったという。
それでは、20代前半の若い人は絵文字ではなく、どんなメールを送るのだろうか。五十川さんによると、LINEのスタンプが使えないメールでは、GIF(グラフィックス・インターチェンジ・フォーマット)のアニメーションのフリー素材を使って、お願いポーズとか、ランチに行こうポーズとか、自分でお気に入りの画像を作るそうだ。この世代が増えていくと、ビジネスメールの世界もカラフルで華やかになりそうだ。(福田和郎)