謝罪した後に絵文字メールがくると励まされる
最近、社内外の連絡にビジネスチャットを導入する企業が増えている。チャットの場合、パソコンだけでなくスマートフォンを使って出先からも連絡できる。よけいな挨拶文がなく単刀直入に要件が伝えられるし、すぐに返信がくるので時間の節約になる。時系列でやり取りが表示され、社内外のメンバーやプロジェクトごとにグループをつくり、連絡し合うことができる。
五十川さんは、
「今回の調査で、ビジネスチャットに絵文字を使うべきだという人が非常に多いのは、前置きの挨拶がないので、絵文字で表現を和らげて親しみを持たせようと考えているのだと思います。ビジネスチャットが広がれば、メールに絵文字を入れる人はもっと増えるのではないでしょうか」
と説明した。
アンケート調査で絵文字に賛成した人にはこんな声があった。
「ふだんは絵文字を使わない社外の方とのやりとりで、私がミスをして謝罪を含めたメッセージを送った際に、励ましの言葉と絵文字を送ってくれた。この方との仕事はもっと頑張りたいと思えた」(マーケター・プランナー・30歳代)
「少しやり取りをした後、先輩から簡単な絵文字でくると、『よく思ってくれているのかな』と安心する」(エンジニア・20歳代)
「クライアントが文末につけてくれた絵文字でホッとしたことが何度もある」。(ディレクター・マネージャー・40歳代)
「『あの絵文字は最高だった』という世間話が増えることで、場の雰囲気を和らげる効果がある」(システムエンジニア・30歳代)
「絵文字で文字から見えない感情を察することができるし、こちらの感情も伝えられる」(コンサルタント・30歳代)
このようにホッとする効果だけでなく、次のような意外な効果も。
「絵文字には色がついているので、文を目立たせたいときに使っています」(システムエンジニア・20歳代)
「時間がない時は、絵文字だけで返信することがあります。もちろん、社内のみで使用していますが」(事務・総務・20歳代)
やはり、ビジネスの場では「失礼だ」と、使用に批判的な意見も多い。
「謝罪関連で絵文字を利用されると、はぐらかされているようでイライラする」(システムエンジニア・30代)
「納期当日になってタスク遅れの連絡があり、その報告に絵文字が多用されていてイラッとした」(ディレクター・マネージャー・30代)
「絵文字は使わないので絵文字みっしりのメッセージが届くと、合わせるのが面倒」(カスタマーサポート・30代)
「絵文字を選ぶのに時間がかかっている社員を見た。そんな暇があるなら早くコメントをすればいいのにと思う」(システムエンジニア・30代)