日本では「ゴミは持ち帰れ」ということ
日本では、「ゴミは持ち帰れ」ということなのだろう。そして、決められた日に、ちゃんと分別して、決められた場所に置いておきなさい、そうでないと、ゴミの収集はやりません、ということになっている。
しかし、中国では適当に分別して街中のゴミ箱に捨てておけば、役所がちゃんと集めてくれる。日本の冷たい役所とは大違いだ。毛沢東氏の有名な言葉「為人民服務」(人民のために尽くせ)が今も生きているのだろうか。住宅団地内のゴミ箱だと、資源として回収できるかどうかなんて、考える必要もない。一緒くたにゴミ箱に放り込んでおけば、誰かが絶えずやって来て、カネになるプラスチックなどは持ち去ってくれる。
中国式と日本式とでは、どちらがより好ましいだろうか――。ひとつ言えるのは、中国人が初めて日本に来た時、街中にゴミ箱が見当たらないので、「どこに捨てればいいの?」と、戸惑ってしまうそうだ。やむを得ず、道端に捨てれば、日本人から白い目を向けられてしまう。逆に、日本人が初めて中国に行っても、ゴミ箱の多さにびっくりするぐらいで、戸惑うことはまったくない。
したがって、僕に言わせれば、中国の役所は人民に対して、少し親切すぎるのではないか。中国人が日本に旅行した時にあわてないためにも、日本の役所を見習って、人民にもう少し「自己責任」を求めるべきではないだろうか。
公共バスの中のゴミ箱なんて、過保護も過保護、まさにやり過ぎである。(岩城元)