欧米のスポーツ選手はもはや常識「怒り」のマネジメント
競技を問わず、欧米のスポーツ選手のあいだで、もはや常識となっているといってもいい身につけるべきスキルがあります。それは、アンガーマネジメントです。アンガーとは「怒り」。すなわち、突然沸き起こる「怒り」の感情をいかにコントロールするか。自らの「怒り」を制した者が戦いをも制することができる、というのがアンガーマネジメントの基本的な考え方です。
このアンガーマネジメント、いわゆる「怒りの負の影響力」に関しては、紀元前から哲学者たちによって研究されてきたと言われ、現代では主に心理学者たちによってその悪影響と制御法、解消法について、さまざまな研究がなされています。1970年代頃からはアンガーマネジメント・プログラムとして形成され、多方面で活用されています。
ちなみに、世界の一流プロテニス選手の多くはアンガーマネジメントを学んでおり、またアメリカンフットボールチームなどでは全選手にアンガーマネジメントの研修の受講が義務付けられているなど、スポーツ競技においてその効果は一般的に知られ、高く評価されているのです。
私は、大坂なおみ選手の「トイレットブレイク」での精神的立ち直りを見て、これはアンガーマネジメントの力に相違ないと確信しました。