「方言直せ」強要はダメ! 体調を崩すこともある、りっぱなハラスメントです(篠原あかね)

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   先日、ネットニュースで関西弁を話す外国人の方のコラムが載っていました。

   幼少の頃から関西で育ち、東京で働く現在も関西弁を当たり前に使っていたところ、後輩から「関西弁は怖いから使わないでください」と言われ、ショックだったそうです。読みながら、私は過去のある出来事を思い出しました。

  • 関西弁は直さないといけないの?
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初めての土地でストレス

   昔、ある企業から新しく入社した社員の言葉遣いを直してほしいと依頼を受けました。

   来客対応が多い職場と聞きましたので私は、敬語の使い分けやビジネス表現に問題があるのかと思ったのですが、社長は「方言を直してほしい」と言うのです。

   その方はご家族の転勤で東京へ来たばかり。長く関西方面にお住まいだったので、アクセントの位置や単語が、関東と少し異なるのです。

   私は、方言は大切な文化だと思っているので、標準語を強制することには反対です。ご自分の意志で方言を使わないというならまだしも、社長のように「標準語で話さなければ仕事をさせない」というのはおかしな話です。

   まして、この方は転勤してきたばかりで、初めての土地での生活に慣れるだけでもストレスを感じているはず。追い討ちをかけるように「標準語で話せ」と強制しようものなら、ストレスで体調を崩す可能性すらあります。

   社長には、そういうことであれば、お受けできないとお断りしました。当時は「ハラスメント」という言葉はありませんでしたが、今なら「方言ハラスメント」でしょうか。

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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