注目のイベントが目白押し。貿易摩擦問題の出口が見えないなか、2019年1月28日からは米中通商協議がはじまる。米国の予算案にからんだ政府機関の閉鎖問題のゆくえも気になる。企業の決算発表が、今週も続く。
週末にかけては、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見、1月の米雇用統計の発表が控えている。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場
日経平均株価予想レンジ:2万400円~2万1100円
2019年1月25日(金)終値 2万773円56銭
今週の東京株式市場は、2万1000円を上抜けるかがポイント。前週は2万1000円抜けを試したものの、戻り売りなどで上値が重かった。ただ、2万500円に近付けば、押し目買いなどが入り、下値の堅さを確認した。2万1000円を上抜けるようだと、市場のセンチメントが強気に変化する可能性がありそうだ。
材料は、本格化する主要企業の第3四半期決算。企業決算の結果を材料として個別株を中心の取引になる可能性が高い。ただ、1月30~31日の米中通商協議を受けた米ニューヨーク株式市場の動向には注意が必要だろう。
また、29~30日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)、2月1日には1月の米雇用統計といった重要イベントを控えており、様子見気分の強まる可能性もある。
東京外国為替市場
ドル円 予想レンジ:1ドル=108円00銭~111円50銭
2019年1月25日(金)1ドル109円53銭
今週の東京外国為替市場は、レンジを抜けだす材料もなく、前週と同様に109円台での揉み合いとなりそうだ。
前週は、日本銀行が「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2019年度と2020年度の物価見通しを引き下げたことで、追加金融緩和への期待が高まり、円安に動く場面もあったが、110円台に乗せるほどのものではなかった。
今週は、1月28日~2月1日の米中通商協議がポイントとなりそうだ。特に、30~31日に中国の劉鶴副首相が訪米し、閣僚級協議が開催される。この協議でどの程度の進捗が見られるのかが注目される。
最大のサプライズは、米国のトランプ大統領と民主党の「対決姿勢」の変化。政府機関の閉鎖が長引いており、水面下で妥協点を模索しているものの、両者の歩み寄りは見られない状況。しかし、さすがにそろそろ動きが出てくる可能性がある。歩み寄るのか、訣別するのかによって、相場が乱高下する可能性がある点には注意したい。
注目材料は、1月の米雇用統計。政府機関の閉鎖の影響が大きければ、ドル売り材料となりそうだ。
(鷲尾香一)