4割の人が自分のクルマのパンク修理備品を知らない
近年は、スペースをとるスペアタイヤの代わりに応急修理キットが付属している車種が増えている。また、応急修理キットさえない車種も多い。しかし、こうした事例で明らかなのは、スペアタイヤがないクルマもあることをわかっていない人が意外に多いこと、また、パンクして初めて自分のクルマにスペアタイヤがないことに気づく人や、応急修理セットの正しい使い方を理解していない人が多いことだ。
国民生活センターが、トヨタや日産自動車などの国内自動車メーカー8社に、もっとも安価なグレードの車種についてスペアタイヤや応急修理キットの付属状況を聞いたところ、スペアタイヤのみ、応急修理キットのみ、両方ないものと、てんでバラバラだった(両方ある車種がある社はゼロ)。全車種にどちらかがあると答えたところは2社だけだった。安いグレードの車種では、かなりの多くのクルマでパンク対策がなされていないわけだ。
また、メーカーに消費者がクルマを購入する際、スペアタイヤや応急修理キットの有無、またそれらの使い方について、販売会社が情報提供するよう指導しているかどうかを聞くと、半数にあたる4社が指導していなかった。つまり、購入時に「このクルマのパンク対策は?」とユーザーが聞かないと、わからないままパンクのトラブルに巻き込まれる羽目になるわけだ。
一方、国民生活センターが、クルマを持っている(平均使用年数8年)全国の20歳~60歳の男女5000人にインターネットを通じてアンケート調査をしたところ、「タイヤのパンク」を経験した人は約4人に3人の74%に達した。また、パンクが発生した場合、「自分で対応するかどうか」を聞くと、61%が「自分では修理しない」と答え、そのうちの43%が「やり方がわからない」と答えた。
また、自分のクルマにスペアタイヤや応急修理キットなどのパンク対策の備品があるかどうかを聞くと、43%の人が知らなかった。さらに、自分のクルマの装備内容を知っている人に、それぞれの使い方を聞くと、さすがにスペアタイヤの交換方法は86%が知っていたが、応急修理キットの使い方については、知っていると答えた人は63%だった。