「あれ、私のクルマにスペアタイヤがない!?」――。運転中にタイヤがパンクしたらどうするか? 多くの人がスペアタイヤを交換したり、クルマに付いている応急修理セットを使って修理したりするだろう。
ところが、パンクになって初めて自分のクルマにスペアタイヤがないことに気づいたり、応急修理セットの使い方を知らなかったりと、タイヤパンク時の対応に混乱する人が多すぎることが国民生活センターの調べでわかった。2019年1月17日の発表。ホームページで、パンク修理の方法をアドバイスしている。
付属の応急修理キットでパンク直したらタイヤがダメに
路上のクルマトラブルのロードサービスを行なう日本自動車連盟(JAF)によると、最も出動件数の多いトラブルの断トツの1位と2位は「バッテリー上がり」と「タイヤのパンク」。タイヤパンク時の対応方法は、主に2通りある。ひとつは自走できるように自分で応急修理を行う方法。もう一つがJAFなどのロードサービスに頼む方法だ。
自分で行う応急修理にも2通りの方法がある。ひとつはスペアタイヤに交換する方法、もう一つが応急タイプのパンク修理キットを使って補修する方法だ。両方ともクルマを買った時に付属部品として装備されているものだが、車種によっては付いていない場合もある。自分のクルマにそれらが付いているのかいないのか、付いていても正しい使い方を知らない人が意外に多いことが、国民生活センターのアンケート調査でわかった。
たとえば、こんな事例の相談が寄せられている。
【事例1】
自動車のタイヤがパンクしたので、付属の応急修理キットでパンク修理をしたところ、それが原因でディーラーに修理を断られた。メーカーが付属の備品としてクルマに付けているものなのに、それを使用するとパンク修理ができないというのは納得できない。(2018年10月、大阪府の40歳代男性)
【事例2】
スペアタイヤを載せて販売していないクルマが多い。オプションで付けると高くなるし、載せる場所もない。ジャッキの積載もないので、ロードサービスを呼んで直す人が多いが、購入時に選択できる仕組みにすべきだ。(2018年5月、愛媛県の60歳代男性)
【事例3】
クルマに付属の応急修理セットを使ったら、修理剤が入ったままになり、タイヤがダメになった。それならキットに表示すべきだ。(2016年12月、千葉県の50歳代男性)
【事例4】
息子がタイヤ交換をしようと思ったら、クルマにスペアタイヤがなかった。夜中だったのでディーラーに電話してもつながらなかった。スペアタイヤがないクルマなんかあるのか。(2016年11月、滋賀県の50歳代男性)
【事例5】
購入後にスペアタイヤがないことに気が付いた。スペアタイヤが付属していない旨の説明はなかった。田舎道や高速道路でパンクしたら、スペアタイヤがないと困るし、危険だ。(2016年7月、岡山県の70歳代男性)
【事例6】
スペアタイヤに交換しようとしたら、エアが入っておらず、結局、ロードサービスを呼ぶ羽目になった。(2014年8月、大阪府の20歳代男性)