『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(cis著)KADOKAWA
株式投資の世界で「神」といわれる個人投資家cis(しす)さんの初めての著書『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』(KADOKAWA)が話題だ。
「230億円」を稼いだ実績を持つデイトレーダーが、投資家としての半生を語る自伝。「元手の300万円をただただ溶かして104万円まで減らした」ビギナー時代から「一撃19億円」をたたき出すまでになる過程は、投資をめぐるアドベンチャー物語のようだ。
「執筆の報酬は受け取りません」
cisさんは、自身の株取引をツイッターでつぶやくことで知られる。フォロワーは25万人とも27万人ともいわれ、またネットの巨大掲示板「2チャンネル」の株板や金融関係のまとめサイトでも、その投資情報が取りざたされている。
すでに何冊もの著書があっていいほどのカリスマトレーダーなのだが、これまでは一切なし。確定申告を面倒にしないため、またリスク管理を考えると、メディアへの露出はマイナスといい、雑誌やテレビの取材はほとんどを断り、本の出版など、考えもしなかったという。
本書の出版は、マージャンを通じて10年以上の親交があるライターのススメに応じたもの。数回にわたるインタビューをベースに、そのライターが構成を手がけた。cisさんは「面倒なこと一切なし」と、ツイッターで印税などの報酬を受け取らない考えを明かしている。
「この本は相場において、僕がどう考えて行動し、どう勝ってきたかについてまとめたもの」と、cisさん。あえてトライした初の書籍は、投資家向けの指南書というより、「一人の力で日経平均を動かす」までを一般向けに語ったノンフィクションだ。
本人も「株の話が中心ではあるけれども、株をあまり知らない人でも読めるようになっていると思う」という。「順張り」や「逆張り」あるいは「押し目」「利確」などの専門的な言葉にも一つひとつ説明を施し、平易な言葉で語られている。