ターニングポイントの3年目、自分の仕事を再確認
さらに、社会人1年目から3年目の仕事のモチベーション度合について0~10点で調査したところ、男女ともに直線的に低下し、3年目は4.7点と5点を下回った。
特に女性は男性よりもモチベーションがやや高いが、1年目6.2点から2年目5.3点と急激に低下している=図3参照。角山学長によると、「3日、3月、3年」とよく言われるように、入社して間もない頃は他社に入った友人を羨み、仕事に興味が持てないという経験をしつつ、3年目で一度やる気がなくなるパターンは実際よく見られるという。
ところが「3年」を乗り越えると、成功や失敗の経験を重ねるうちに仕事にも慣れて、おもしろさがわかってくる。職場への愛着が生まれ、お金のためだけでなく仕事のやりがいを感じることができるようになるそうだ。
社会人3年目のモチベーション度合の理由を聞いたところ、ポジティブな理由では「趣味や娯楽などの楽しみがある」(22.3%)がトップとなり、仕事内容ではなくプライベートの充実がモチベーション向上につながっていることがわかった。
その一方で、ネガティブな理由は「仕事に対してやりがいを感じることができない」(28.0%)や「給与が仕事に見合っていない」(24.0%)など、モチベーションが低い人は仕事内容や会社の環境に要因があることが判明。仕事に対して関心が低い、もしくは仕事に対してよいイメージを持っていない若手社員が多い可能性が示唆された。
こうしたことから、仕事に対するモチベーションを自分自身で管理できていない、モチベーションについて十分な知識がない人が多いことが考えられるという。
また、1年目から3年目にかけてモチベーションが低下し続けていることや、3年目のモチベーション度合の理由=図4参照=からも、社会人3年目が転職のタイミングとなってしまいやすい傾向が垣間?える。
とはいえ、これまで続けてきた仕事を一度整理することで、新たな発見や新しい工夫につながる場合がある。仕事への慣れは、意欲の減退や注意の散漫といったネガティブな面もあるが、とらえ方次第で飛躍するチャンスを秘めている。年始めに「仕事の棚卸し」をしてみるといいだろう、と角山学長は提案している。